ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ２*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ4)

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２１歳の君。５ページ4

「かんぱーい！」

火曜日の夜。いつもの居酒屋で、仕事仲間と飲み会。

「いやー、バイト頑張ってよかった！」

ビールを片手に言ったのはバイト仲間の坂田さん。２２歳の大学生の女の子。サバサバしていて、年下だけど頼もしい。
２年前からバイトを始めて、今ではすっかり仲良しになり、ちょくちょく飲みに行く仲になっていた。

「ほんまに。この１週間このためだけに仕事してたようなもんやで俺」

同じくビールを頼んだ永瀬くん。
２０歳になってから、私と坂田さんの飲み会に参加したがるようになった。

「どんだけ楽しみにしてんのよ」
「だって、サークルで飲むよりこっちで飲むほうが楽しいし」
「どーせ、安永さんに愚痴聞いて欲しいだけでしょー！」
「そんなんじゃ…！まぁ、ちょっとは聞いて欲しいですけど」
「ほらねー！そーだ！店長も仕事終わったら来るって！」
「えー！そんなん店長の愚痴言えないじゃないっすか！」
「あんの？」
「いや、ないっすけど」
「今のうちに話してくれてもいいんだよ？全部伝えといてあげるから！」

坂田さんが姉で、永瀬くんが弟のようなこの二人の関係が面白くて、話を聞きながら笑ってしまう。

グラスを傾けながら中を見る。
乳白色のソルティドッグは、わたしのいちばん好きなお酒。
飲むたびに、お酒の楽しさを教えてくれた人を思い出す。

岸先輩、元気かなぁ。。

と、グラス越しに永瀬くんがこちらを見つめているのが見えた。

「ん？なに？」
「あ、いや、安永さん、いつもソルティドッグやなーと思って」
「美味しいから好きなんだー」
「へー。飲んだことないなー。良かったらひと口もらえます？」
「…私の飲みかけだけど、いいの？」
「俺そーゆーの全然気にしいへんタイプなんで。あ、嫌ならやめときます」
「ううん、いいよ！どーぞ！」

永瀬くんは、私のグラスのソルティドッグをひと口飲むと、

「うまっ！」

と、感動している。

「いやっ、これ、美味いっすね！次これにしよ」

そう言いながら、返してくれたグラスを受け取ると思わずグラスを見つめる。

……間接キスだよね、これ…。

って、なにを意識してるんだか。

まぁ、永瀬くんはなんにも気にしてなさそうだし、私も気にせず行こう。

けど、、紫耀くんには、絶対言えないなぁ。