２１歳の君。１４ ページ29
花火大会１０日前。
「花火大会？」
「そーそー！今年、一緒に行きません！？」
坂田さんに花火大会に誘われた。
「なんで私と？彼氏さんは？」
「それがー、彼、今年地元に帰っちゃっていないんですよー！
安永さん、花火大会行ったことないって聞いたんで、せっかくだから一緒に行きたいなーと思って！」
「ありがとう。けど、シフトが…」
確か、入れるって希望出しちゃったような…。
「シフトなら心配せんでもええでー！今年は独り身が多いみたいやからねー。俺も含めて！」
バックヤードから顔を出す丸山店長。地獄耳？
「え！？彼女さんは！？」
「あ！大阪からこれへんてだけでちゃんと付き合ってるよー笑」
「店長、言い方紛らわしいです。」
横から現れたのは永瀬くん。
「おっ！独り身仲間やんー！永瀬くんは、、休みにしてるけど、誰かと行くん？」
「大学の友達と」
「なになにー？デート？」
「男ですよー。独り身の周りには独り身が集まるんで」
「なんや若いのに寂しいなー」
永瀬くん、相変わらず彼女いないんだ。
モテそうなのに、もったいない。
「じゃ！安永さん、一緒に行けますよね？」
「うん。ちょっと予定確認してまた連絡するね」
花火大会の日、紫耀くん、仕事かな？
最近忙しいみたいだし。。
あとで、聞いてみよ。
仕事が終わって、スマホを見ると、
「今日、会いたい」
紫耀くんからLINEが来ていた。珍しく、シンプルな文面。
どーしたかな？疲れたのかな？
疲労回復メニューにしよう。
紫耀くんの部屋で、料理を作って、テレビを見ていたら、
「ただいま」
「おかえり！…！！」
帰ってくるなり、抱きしめられた。
「どうしたの…？」
返事をせずに、黙ってる。
やっぱり、なんか変。
なにか、あったのかな…？
気になるけど、いまは聞かないでおこ。。
そっと、紫耀くんの背中に腕を回した。
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2017年4月18日 23時
