ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ２*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ12)

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２１歳の君。９ページ12

久しぶりに会うと、少し緊張する。そして、気合が入ってしまう。

目の前にズラリと並んだ料理を見て、目をまん丸にしている紫耀くん。

「ごめん、作りすぎちゃっ」「すっげー美味そう！！食べてもいい！？」

私の言葉を遮って興奮気味で箸を持った。

「いただきまーす！うんまっ！！」

新作のチーズ入りロールキャベツを食べて、クシャクシャニコニコの笑顔。
次々と料理をパクパクと口に運んで行っては、恍惚の表情をしてる。

食べるのがいちばん好きだもんね。

に、しても作り甲斐のある人だなぁ。。

「ごちそうさまー！」

結局、大量の料理を全部たべてくれて、ご満悦、といった顔で手を合わせる紫耀くん。
まるで小さな子供みたいで、可愛い。

いつものように皿を片付けようとしてくれる。けど、

「朝まで仕事だったんでしょ？今日は私が片づけるから、紫耀くんは座ってて」
「でも…」
「お願い、ね？」
「俺、Aとお皿洗うのけっこう好きなんだけどなー」

紫耀くんは口を尖らせて小さくうなづくとソファに座った。

今日は私がやらなきゃ。
どんなに疲れていても、私に家事を任せきりにしない紫耀くん。
掃除も洗濯も手伝ってくれる。
本当は、部屋の家賃を払ってもらってる私がやるべきことなのになー、なんて思うけど。。

心配性とヤキモチ焼きなのがなければ、最高の彼氏なんだけどな(笑)

そんなことを考えながら、洗い物に目線を集中していると、突然、背中から温もりに包まれた。

体に回される紫耀くんの腕。
頭に、紫耀くんの顔が触れるのがわかる。

「…なんかあった？」

いつも以上に優しい声が、耳元で響く。

「え…？なんで？」
「おかずが多かったから」
「…」
「A、嫌なことあるとおかずが多いもん」
「そんなこと…ないよ…」
「あーる。俺がドラマでキスシーンやった次の日は、絶対おかず多いし」

確かに。嫌なことがあると気分転換したくて、気が済むまで料理作ってる。

「何年一緒にいると思ってるの？」

そう言いながら、ギュッと抱きしめてくれる。

洗い物していた手を洗って、紫耀くんの腕に触れた。硬い筋肉質なたくましい腕。
この腕に守られていれば、怖いものなんて何もない、そんな気がする。

「ちょっとだけ、仕事で嫌なことがあったの。でも、大丈夫」

普通のカップルとは違うけれど、誰より私のことをわかってくれてる紫耀くん。
それだけで充分。

世界一の彼氏だよ。