私の幸せ６ ページ24
廉くんの手を胸に押し付けると、うるさいくらいに自分の中の鼓動を感じた。
「Aさん…」
廉くん、明らかに戸惑ってる…
いきなりこんなことして…ひかれたかもしれない。
でも…それでも…
「…あの…あのねっ…」
廉くんのものになりたい。
ならないと、いけない。
だって、結婚する。夫婦になるってそういうことでしょう。
覚悟を決めたの。
廉くんと生きていくの。
３人で幸せになるんだよ。
廉くんを見つめた。
頬が熱い。
初めてでもないのに、こんな風になってしまうのが恥ずかしくて、目を伏せた瞬間、
廉くんの温もりに包まれた。
痛いくらい強く抱きしめられる。
「……ええの？」
柔らかな声が耳に響いて、緊張が喉までこみ上げてくる。
息を飲み込むと、廉くんの背中を握りしめた。
「…いいよ…」
何年も待たせてきた。
やっと、気持ちに応えてあげられる。
腕の力が解かれ、温もりを背中に感じたまま廉くんを見上げた。
ただ、見つめ合う。
不意に廉くんの目から涙が一筋こぼれ落ちた。
「…好きや」
声と同時に落ちてくるキス。
何度も何度も繰り返されて
次第に深くなっていく。
「……っ…ん…！」
いつの間にか壁に押し付けられて、ただただキスを受け止めるのに必死になっていた。
キスだけじゃない。気持ちごと受け止めたかった。
荒い吐息が混じり合う。
首筋に触れていく唇に身体が熱くなっていくのに、頭の中は落ち着きを取り戻していく。
ずっと越えられずにいた一線。
彼以外知らない自分がどうなるのか、怖くてたまらなかった。
剥き出しの自分を、彼以外に見せることが怖かった。
廉くんの部屋のベッドに倒されるとまたキスの雨が降ってくる。
甘いキス。廉くん、こんなキス…できるんだ…。
大丈夫。廉くんになら見せられるよ。
私の全部あげられる。
服のボタンに手が掛けられる。
私を廉くんのものにして。
服の下に滑り込む手の感触に、身体の力を抜いた＿＿＿＿＿
.
なのに、
急に、ボタンを外す手が止まった。
「…廉くん…？」
触れていた唇が離れ、頬に涙が落ちる。
私のじゃない。
「……ごめん…無理やわ……」
服を掴む手が、震えていた。
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愛 - 続きはまだでしょうか？急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです！更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (
レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2018年10月22日 8時
