メリークリスマス ページ20
背丈ほどの高さの頂上に大きな星を慎重に置く。
「…こんなんでいいかな…」
何年ぶりかに出したツリー。
初めて自分で飾った。
毎年飾ってもらってたから上手く飾れない。
一回くらい手伝えば良かったかな。
でも、クリスマスが近づいた時期に突然部屋に置かれてるのが楽しみだったんだ。
『ただいまー…あっ！ツリー！！』
『おかえりー。今年は早めに出してみたよ。上手く飾れてるかな？』
『うん。綺麗だよ』
『ありがとうー！じゃあ紫耀くんに問題ですっ。今年はどのオーナメントを増やしたでしょう？？』
『うーん…分かった！玉の色が変わった！』
『ざんねーん！色は同じ！答えはジンジャーブレッドマン』
『なんだよジンジャーブレッドマンって！どれ？』
『これ。外国じゃメジャーなんだって。可愛くて買っちゃった！』
『ジンジャーブレッドマンってこういうやつか。あっ去年はトナカイだよね？一昨年はサンタ！』
『うん！１年にひとつずつ増やしてるの』
『毎年増えてくの、記念みたいでいいね』
『そうだね。オーナメント見るたびにその年のクリスマス思い出したりしてね。
毎年飾るのが楽しみだな』
そう言いながら、俺に体を預けてツリーを眺めていた温もりをまだ覚えてる。
不意打ちのキスをすると、まるで初めてのキスみたいに顔を真っ赤にして見せた笑顔も。
その姿を見て、他には何もいらないと感じたことも。
簡単には忘れられない。
でも、思い出にしなきゃ。
このツリーを出すのはこれで最後。
オーナメントも捨てる。
この部屋も引っ越す。
見えないものは消せなくても、
形あるものはすべて捨てるんだ。
「A…ももか…
メリークリスマス」
２人の幸せを心から祈る。
…俺が贈れる唯一のクリスマスプレゼント。
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愛 - 続きはまだでしょうか？急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです！更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (
レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2018年10月22日 8時
