私の幸せ１ ページ1
ついウトウトしてしまっていた。
「ママ？」
「ん？」
規則的に揺れる振動と、流れていく窓の景色によって、まだ電車の中だと気付く。
まさか寝過ごしたかと思い、周りをキョロキョロしていると、
「次がいつも降りる駅だよーー」
ももちゃんは私の手を握った。
…いつの間にか覚えてたんだ。
こんなところでも成長を実感する。
「起こしてくれてありがとう」
頭を撫でるとクシャっとなる顔。
可愛いのに切なく感じるのは、今日の今日だから仕方ない。
何も感じなくなったら、そのときが本当の終わりなんだろう。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
駅に着き、改札へ近づくとももちゃんがいきなり走り出す。
「れんれーん！！」
ももちゃんの視線の先には、改札の向こうで両手を広げてる廉くんがいた。
ダイブするかの如く自分の胸に飛び込むももちゃんを廉くんがしっかり抱きとめる。
「おかえりー！」
「ただいまー！」
何年ぶりの再会と思われても仕方ないくらいの喜びよう。
絵に描いたような相思相愛ぶり。
その姿に、改めてこれで良かったと感じる。
「遅くなってごめんね」
「気にせんでええよ。楽しかった？」
「……うん」
「良かったね」
口角を上げて微笑む顔に、胸が詰まる。
その笑顔を見るたびに、罪悪感が膨らむ。
何もかも受け入れる、と廉くんは言ってくれた。
この秘密を廉くんに背負わせてしまうことが怖かった。
だけど、
結婚する。
夫婦になる。
家族になる。
何も言わずにいたら、罪悪感は膨らみ続けるだけ。
…いつか、歪みになる。
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愛 - 続きはまだでしょうか？急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです！更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (
レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2018年10月22日 8時
