申し入れー高梨 ページ15
「それは話題になりそうですね！」
紫耀のバラエティ出演の件を打診すると、
顔見知りのプロデューサーは目を輝かせた。
「言っちゃアレですけど、平野さん今はどちらかというとスキャンダルのイメージの方が大きいので、砕けたキャラクターを見せたらイメージ刷新できるかもしれないですねぇ！」
「それを本人も望んでいるんですよ。
幅広い世代の方に自分を知ってもらえるようにやれることはなんでもやりたい、と本人が申しておりましたので、
これまでの悪いイメージを払拭するような、思い切ったことをさせてやりたいと考えております」
「高梨さんにそう言ってもらえるとこちらとしても助かりますよ。最近のタレントは事務所NGが多いんでね…。
バラエティレギュラーの件、上層部に掛け合ってみます！たぶん良い返事ができると思いますよ！」
「ありがとうございます！よろしくお願いします」
エレベーターに乗り込むプロデューサーに頭を下げ見送ると、息をついた。
これまではモデルやcmの仕事をこなすばかりだった紫耀。
バラエティの営業なんて何年ぶりだろう。
あまりにもイメージが違うから門前払いされたらどうしようかとも不安だったが、意外にも好意的に受け入れられた。
『なんでもやるんで』
その言葉を信じて、どんな内容のバラエティでもやらせよう。
変わりたいと望む背中を押してあげられるなら、どんなことでもする。
これまで５年間闇に沈んでいた紫耀を、たった一晩で光の下に引き上げた彼女。
これからは別々の道を歩いていくと決めたふたりの為にも、私にできることをしないと。
テレビ局を出ると、スマホに着信が入った。
事務所のスタッフからだ。
「もしもし、高梨です」
「お忙しいところ申し訳ありません。
先程事務所に電話がありまして…」
「電話？なんの？」
「ユニバーサル出版の永瀬という男性が、平野紫耀に会いたいと…」
「ユニバーサル出版？大手ね」
「…えぇ。その方、『平野さんに安永のことで話があります』と伝えて欲しいと言ってきたんですけど、なんのことか分かります？」
…安永。
その名前を聞いた瞬間血の気が引いた。
どうして…その名前を…
「…私も分からない。もしかしたら売れないライターが大手を騙ってるのかも」
なんとか平静を装う。
「無視していいですかね？」
「いいわ」
スマホを落とさないように、震える右手を左手で押さえた。
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愛 - 続きはまだでしょうか？急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです！更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (
レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2018年10月22日 8時
