運命の人17 ページ35
「ねぇねぇー！どうしてしょうくんのこと知ってるのー？」
ももちゃんは不満げに、
私たちが答える間もなく矢継ぎ早に質問を重ねてきた。
私を見た紫耀くんと目を合わせると息を飲んで深呼吸した。
…全部、言うんだ。
「ももちゃん。紫耀くんはね…「お友達だよ」
正直に話そうとした私の言葉に被せるようにして紫耀くんが答えてしまった。
「そうなのー！？」
ももちゃんが紫耀くんの顔を覗き込むと強張っていた顔が綻び微笑みに変わる。
「そう。小学校のときからね」
「えーー！そうなのママ！？」
ベッドに手をつきピョンピョン飛び跳ねるももちゃん。
小さく首を振った紫耀くんに、言いかけた言葉を飲み込んだ。
「…そうだよ」
「なーんだおともだちだったのかぁー！言ってくれればよかったのにー！」
「ももちゃんを迷子さんから助けてくれたのがママのお友達の紫耀くんとは思わなかったから…」
「ふーん？
あ！しょうくん！ママがたくさんごはんつくったんだよ！」
ももちゃんは切り替えが早い。
紫耀くんの手を握るとブンブン振って起こそうとする。
「あ！ももちゃんダメよ！紫耀くん寝てないと…」
「大丈夫。ずっと寝てたから逆に起きたい」
ゆっくりと立ち上がると伸びをした紫耀くんの真似するももちゃん。
その姿を見て、紫耀くんはまた微笑んだ。
それだけで、涙が出そうになるけれど必死にこらえる。泣いちゃダメ。笑うんだ。
楽しい時間にしなきゃ。
「もんだいでーす！ママは何をつくったでしょうか？
ヒントは、、もものだいすきなものでーす！」
部屋に漂う香りを嗅ぐ紫耀くん。
「うーん…なにかな？…ロールキャベツ？」
「正解！すごーい！他にもいろいろあるよー！きてー！」
ももちゃんがリビングへ行き、ついていこうとした紫耀くんが立ち止まった。
「……まだ、話さなくていいよ」
「……でも…」
「…もう少しだけ、友達のしょうくんでいさせてもらえないかな？
俺が父親って分かったら…たぶん態度変わっちゃうでしょ？」
「………分かった…」
「ありがとう」
ふわりと微笑むと紫耀くんはリビングへ行った。
昔と同じ、優しい笑顔。
再会したときのあの厳しい顔付きが嘘みたいだ。
友達のしょうくん…だなんて…
こみ上げてくるものを押さえて飲み込むと、ももちゃんの声が響くリビングへ向かった。
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atu66mi67yu129(プロフ) - この作品が気になります。今日は更新ありますか？あればうれしいです！ (2018年10月16日 23時) (
レス) id: 055b967b0d (このIDを非表示/違反報告)
Pop(プロフ) - たくさんの更新ありがとうございます、続きが読めて本当に嬉しいです。紫耀くんと結ばれてほしいなと心で思ってしまっているけれど、ピナパルさんの描く結末を楽しみにしています。これからもずっと応援してます。 (2018年10月9日 2時) (レス) id: d54eec4cf3 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - こんばんは。更新お疲れ様です。現時点では廉くんと結ばれるとしか思えなくて、紫耀くんと結ばれて欲しいと思う私にとってはとても複雑です。引き続き更新頑張って下さい (2018年10月9日 0時) (レス) id: f598945e72 (このIDを非表示/違反報告)
ふみな(プロフ) - 面白いです！ここに来て紫耀くんの登場に廉くんとは結ばれないのかな？って今からハラハラしてます！続き頑張ってください。廉くんの一途な想いにいつもキュンキュンと温かい気持ちになってます(*´-`) (2018年10月8日 23時) (レス) id: 5163432d21 (このIDを非表示/違反報告)
krmnc174(プロフ) - 更新ありがとうございます！私は紫耀くんファンですが、この作品では連続廉くんに報われて欲しいと思ってしまいます。続き楽しみにしています。 (2018年10月8日 20時) (レス) id: 79a29a9ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2017年12月28日 23時
