運命の人14 ページ30
「妊娠が分かってからずっとそばにいてくれて助けてくれてる人がいるんです。
私…その人と結婚します。
だから…紫耀くんには会いません」
高梨さんの視線から目を逸らして、一気に話した。
けど、足りない。
理由をもっと何か言わなきゃ。
じゃなきゃ、、
「２人のことなんだからきちんと話さないといけなかったのに、私…逃げたんです。
どうしても言えなかった。…もし…諦めろって言われたらと思うと怖くて…」
嘘。紫耀くんが諦めろなんていうはずないって分かってた。紫耀くんが、他の誰かにその選択肢を与えられるのが怖かった。そして、一瞬でも悩んでしまう瞬間があったらと思うと怖くてたまらなかった。
だったら自分からすべて捨てようと思った。
「全部１人で勝手に決めてしまった。
紫耀くんを捨てたんです。
…私に会う資格なんてありません…」
声が、震えた。
底抜けに優しくて温かかった人を変えてしまったのは私。
私には…紫耀くんのことを思い出す資格すらないんだ。
これで理由は足りるでしょう？
お願いだから、諦めて。
本心が溢れ出す前に。
「あなたの気持ちは分かったわ…」
秋の風に高梨さんの声が吸い込まれて消えていく。わかってもらえた…？
「一緒に暮らしてる人がいること、分かってた。紫耀が教えてくれたの」
遠慮がちだった声が穏やかなぬくもりを含んだ声に変わっていた。
「…紫耀も、あなたに会うつもりはないって言ってた。あなたの人生を邪魔したくないって…
けれど、子供の父親としてお金を払う意思はある。渡してくれって頼まれたわ」
「お金なんて…」
「分かってる。あなたは受け取らないだろうって。
あなたたちはそんなことで終わっていい関係じゃないでしょう？」
高梨さんは私の手を取ると両手で包みこむようにぎゅっと握りしめた。
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atu66mi67yu129(プロフ) - この作品が気になります。今日は更新ありますか？あればうれしいです！ (2018年10月16日 23時) (
レス) id: 055b967b0d (このIDを非表示/違反報告)
Pop(プロフ) - たくさんの更新ありがとうございます、続きが読めて本当に嬉しいです。紫耀くんと結ばれてほしいなと心で思ってしまっているけれど、ピナパルさんの描く結末を楽しみにしています。これからもずっと応援してます。 (2018年10月9日 2時) (レス) id: d54eec4cf3 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - こんばんは。更新お疲れ様です。現時点では廉くんと結ばれるとしか思えなくて、紫耀くんと結ばれて欲しいと思う私にとってはとても複雑です。引き続き更新頑張って下さい (2018年10月9日 0時) (レス) id: f598945e72 (このIDを非表示/違反報告)
ふみな(プロフ) - 面白いです！ここに来て紫耀くんの登場に廉くんとは結ばれないのかな？って今からハラハラしてます！続き頑張ってください。廉くんの一途な想いにいつもキュンキュンと温かい気持ちになってます(*´-`) (2018年10月8日 23時) (レス) id: 5163432d21 (このIDを非表示/違反報告)
krmnc174(プロフ) - 更新ありがとうございます！私は紫耀くんファンですが、この作品では連続廉くんに報われて欲しいと思ってしまいます。続き楽しみにしています。 (2018年10月8日 20時) (レス) id: 79a29a9ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2017年12月28日 23時
