ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ7)

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１２歳の君。５ページ7

私の手を振り払った紫耀くん。

その瞳は、高熱で辛いはずなのに、しっかりと見開いて、私を見ていた。

「チャンスなんだ…。まだ入所して一年もたたないのに、生放送出してもらえるなんて、めったにないって…。それだけ期待されてるって…。だから、期待に応えなきゃ…」

肩を揺らして大きく息を吐きながら話す紫耀くん。

辛いのに…苦しいのに…。

なんでそんなに頑張るの？

「ずっと、、追いかけてた夢だから…」

私の心の声が聞こえたかのように、紫耀くんはつぶやいた。

夢のために…そこまで？

ふと、夏に言われたことが頭に浮かぶ。

『なにもないでしょ』

その通り。私の諦めた笑いにはなにもない。

だけど、紫耀くんが、撮影で見せる笑顔には、その先に夢がある。

「自分に嘘ついてまで、意味のないことするなって、言いたかったんだね、紫耀くん…」

紫耀くんは、ベッドに寄りかかりながら私を見ると力なく微笑んだ。

こんな表情するんだ…。
なんて儚げで、美しくて、、色気がある顔するんだろ…。
胸が、苦しい。
私…弟みたいな子になんでこんな風に…

「そんなこと言われても、保健医として、反対します。とりあえず、今は寝ておきなさい」

先生は、腰に手を当てて言うと、紫耀くんを立ち上がらせて、ベッドに寝かせた。

「Aさんはどうしたの？」

先生に言われて、薬をもらうと、紫耀くんのことが気になったけれど、教室へ戻った。

結局、紫耀くんはすぐに早退したらしい。

紫耀くん、どうするんだろ。。

気になって仕方なくて、、

おばさんは韓流ドラマに夢中で、見せてくれないだろうから、

夜、家電屋に行って、生放送を見ることにした。