１８歳の君。１７ ページ47
２ヶ月後、秋。
岸先輩に挨拶する。
「お世話になりました」
「おう。元気でな。なんか困ったことがあったら連絡しろよー」
「はい！」
先輩は、最後まで優しい先輩だった。
「あ」
「はい？」
「言い忘れてた。彼氏によろしく」
「…はい」
バレてる。一身上の都合で辞めるって言ったのに。。
「は！？２ヶ月もかかんの！？」
「急に辞めると迷惑かけるから…」
「マジかよーすぐ来れると思ってたのにー！」
ブーブー言ってる紫耀くんをなだめ続けて２ヶ月。
やっと東京駅に降り立つ。
住むところは紫耀くんが用意してくれるって言ったから、言われた住所に行くだけなんだけど
、、
全然わかんない。。
地図アプリに助けてもらって、ようやく到着した先には、、
「え…ここ…？」
見上げるほどのタワーマンションがそびえ立っていた。
近くに小さなアパートがないか見回したけれど、駅前の東京の一等地にそんなものはない。
すると、紫耀くんから着信。
「もしもしー！ついたー！？」
私のテンションとは逆に弾んでる声。
「ついたけど、、本当にここ？」
「んー？とりあえず、入ってきてー部屋番号押せば入れるから」
言われた通り、オートロックの玄関に、部屋番号を押すと扉が開いたので中へ入り部屋へ行く。
エントランスからエレベーターから廊下から、何から何まで豪華な内装。。
分不相応すぎて、歩くだけで不安になる。
チャイムを鳴らすとガチャリとドアが開いて、
「入ってきて」
紫耀くんの声がした。姿は見えない。
中へ入ると、いきなり抱きしめられた。
「ようこそ東京へー！！」
嬉しそうに言いながら、満面の笑みを浮かべている紫耀くん。
不安な気持ちも吹き飛び、紫耀くんに抱きついた。
「今日からここで暮らしてね」
そう言って、案内してくれたその部屋は、１LDKで、リビングの広さが、私の住んでいたアパートの部屋４つ分はあろうかという広さで、ベッドルームには、大きなダブルベッドが置かれていた。
「俺からのプレゼント♪」
終始機嫌が良さそうな紫耀くんに、聞きにくいことを聞いてみる。
「紫耀くん…ここの家賃てどのくらい？」
「ん？気にしなくていいんだよ？俺が払うし！」
「え？そんなのダメだよ！」
「いーの！その代わり、Aには俺のお世話してもらうから！」
…お世話？それってどゆこと？
「俺の部屋、ここの最上階！」
……なんですって！？
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2017年4月18日 23時
