１８歳の君。１６ ページ45
朝の光に照らされて、目をさますと、紫耀くんが私を見つめていた。
「ん…紫耀…くん？」
「おはよう」
目を細めて笑うと、ぎゅーっと私を抱きしめてくれる紫耀くん。
心の中が温かいもので満たされていく。
「おはよう」
幸せだなぁ。
シャワーを浴びて着替えてから簡単な朝食を食べる。
紫耀くん、ボーッとしてる。
可愛いなぁ。
ずっと、一緒にいられたらいいのに。
けど、、
「紫耀くん、今日帰るんだよね」
「…うん。実は昨日マネージャーから電話あってさ、夜に仕事入ったから、午前の新幹線で帰らないといけなくなった…」
「そっか…」
…今日帰ったら、今度はいつ会えるんだろう。また３年後だったらどうしよう…。
紫耀くんのぬくもりを知ってしまったからか、離れるのが辛い。
けど、そんなこと言ってちゃダメだよね。
紫耀くん、頑張るんだから、応援してあげなきゃ。
「A？」
紫耀くんが不思議そうな顔をして私を見ていた。
「ご、ごめん、ちょっと考え事…」
言いかけて、紫耀くんに抱きしめられた。
力がいつもより強くて、さすがに苦しい。
どうしたの…？
「やっぱ…俺…無理…！」
紫耀くんは軽く叫ぶと、私の両肩を掴んで見つめてきた。
「紫耀くん…？」
「俺、もうAから離れるの嫌だ！」
え？そ、それはどういう…
急に子供みたいになった紫耀くんに思考がついていかない。
紫耀くんは、私の目を見つめて、すぅっと息を吸うと、
「A、
俺と東京行こう」
そうハッキリと言って、笑った。
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2017年4月18日 23時
