ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ15)

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１５歳の君。４ページ15

「紫耀くん」

「ん？」

「東京行くの、おめでとう」

「ありがとう」

「ドラマデビューも、おめでとう」

「……ありがとう」

？
なんだろ、今の間…。
声も低いし。
嬉しくないの？ドラマ出れるの、ずっと夢見てたよね？

紫耀くんの気持ちが分からない。
モヤモヤする。

「ねぇA、なんで俺につかまらないの？」

「え？」

急に言われてハッとする。

私は、自転車の荷台を持っていた。

「なんでって…なんにも考えてなかった」

「危ないよ。ちゃんと俺につかまって」

紫耀くんに言われて、そっと、紫耀くんの服をつかんだ。
すると、

「ちーがーう！こう！」

紫耀くんは私の腕を掴んで自分のお腹の前にまわす。

い、いいのかな？と、思いながら、片方の腕も前にまわすと、体が前のめりになり、自然と紫耀くんの背中に頬をつけることになった。

甘い香りがする。やっぱり香水かな？

服の上からでもわかる、筋肉質で硬い体。あれだけダンスしてればそうなるよね。

って、、私、なんて目線で見てるんだろ…。

と、よくよく周りを見ると、帰り道と違う道を走っている。

「紫耀くん…道…違うんだけど…」

「ばれた？ちょっと寄り道させてー」

「え！？９時過ぎてるよ！補導されるよ！」

「…いーじゃん。少しだけ」

そう言った紫耀くんの声は、いつもより低くて、寂しそうだったから、私は紫耀くんに付き合うことにした。