ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ３*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ4)

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２１歳の君。２７ページ4

目を覚ますと、部屋の中がオレンジ色に染まっていた。

外を見ると海に沈んでいく夕日が見える。

ホテルに着いたのは昼間だったのに、、もう夕方か…。

起き上がろうとすると、体の上に感じる重み。

耳元で聞こえる静かな息遣い。

紫耀くんに抱きしめられたままふたりで寝ちゃったんだ…。

目の前にある唇にそっと触れると柔らかい。

指先でつんつんつつくと、

「んん？」

怪訝な顔をして反応してる。

もっとつつくと、ついに目を開けた紫耀くん。

「A…？」

「おはよ。って言っても夕方だけど」

「あれ？部屋の色が違う…」

寝ぼけてる(笑)

「夕日が沈んでるの。見に行こ？」

寝ぼけ眼の紫耀くんの手を引いて、服を着ると、海へ出た。

「うわー！夕日でかっ！」

眠気が吹っ飛んだみたいで、テンションが上がってる紫耀くん。

小学生みたいにストレートな反応。

…可愛い。可愛いしか出てこない。

砂浜へ座ると、紫耀くんが後ろに座って、私を包みこむような形になった。

こんなことしてても、誰も気にしない。

「夕日…綺麗だね」

「うん。いる間、毎日見よ」

「そうだね」

目に見えるものすべてがオレンジ色に染まる景色と同じように、

いまだけは、私の心の中を、すべて紫耀くんで埋め尽くしてしまいたい。

後ろから、ぎゅっと抱きしめられた。

少し、苦しいくらい強く。

「……時間が止まればいいのに」

耳元で囁く声。

「そうだね…」

遠くに見える人影以外は、誰もいない砂浜。

このまま、永遠に時が止まってしまえば、

今の２人のまま、ずっと一緒にいられる。

けれど、それが不可能なことくらい、よくわかってる。

不可能なことだから、余計に望んでしまう。

せめて、、いまだけは、この5日間だけは、２人の中の時を止めよう。

まるで、魔法にかけられたみたいに、２人だけの世界に行こう。

私を捕まえたまま、離れない腕を、そっと抱きしめた。