ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ３*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ28)

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抑えられない気持ちページ28

もう、何杯目だろ。

飲んでも飲んでも酔えない。

芸能人御用達の会員制クラブ。

これまでは、めったに来たことがなかったのに、

朝比奈さんに、Aと別れるように言われてから、毎日来ていた。

映画を降板すること、Aと別れること、

どちらを選んでも、俺の未来には絶望しかない。

どうしたらいいんだよ…。

考えても考えても出ない答えから逃れるように、酒を煽る。

おかしいよ、朝比奈さん。

おかしすぎて笑えてくる。

映画の役と、俺のプライベートは別問題だろ。

なのに、なんでそこを一緒にするかな。

俺が何をした？

ただ……Aと生きて行きたかっただけなのに………。

なんで…こんな思いしなきゃなんないんだよ……。

Aに、なんて言えばいいんだよ…。

俺には、Aしかいないのに…。

「あれー？紫耀くん来てたんだ？」

突然声をかけられて、振り返ると、顔見知りの若手俳優が、やたら露出の高い服を着た女たちと飲んでいた。

「おー」

「珍しくね？一緒に飲もうよ」

促されて座ると、両脇にすぐ座る女たち。

よく見ると、見たことのあるグラビアアイドル。

「嬉しいー！紫耀くんと飲むの夢だったんだぁ」

そんなことを言いながら、俺の腕に胸を押し付けてきた。

……気持ち悪い。

頭に浮かぶのはAの笑顔。

Aと話す勇気が出なくて、電話をかけなくなって２週間。

会えなくなって、１ヶ月になる。

なんで、俺、Aに会わずに、こんなとこにいるんだ…。

「触んな！」

女の腕を振り払うと、店を飛び出した。

別れろと言われても、

会うなと言われても、

別れたくない。

会いたい…。

もう、気持ちを抑えることができなかった。