ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ３*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ13)

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２１歳の君。３２ページ13

空港のロビーで、飛行機を待つ間、デジカメで旅行の間に撮った写真を見返していた。

「あ、この写真いいな」

紫耀くんが指差したのは、海をバックに撮った水着姿の２人の写真。

顔を寄せ合い、満面の笑みの紫耀くんに肩を抱かれて幸せそうに笑ってる私。

「いいね、、この写真」

「欲しいな。現像する？」

「うん。家のプリンターでしようかと…」

実は、この旅行の写真を現像するために買っちゃった。
お店で現像するのは、誰かに見られるかもしれないから。

「あ、これもいい」

「ん？あ！！紫耀くんいつの間に寝顔撮ったのー！？」

「いいじゃん！可愛いんだからー！」

「やだー！消す消す！」

「だめーやめてー！」

紫耀くんにカメラを取り上げられて、それを取り返そうとする私は、傍目から見るとじゃれあってるカップルにしか見えないんだろうな。

そうなんだけど、、

もうすぐ魔法にかけられた時間は終わり。。

「搭乗時間だ、行かなきゃ」

紫耀くんは、案内板を見ると、急に静かになって言った。

「うん……」

立ち上がって、搭乗口へ歩いていく。

お互いの手は握られたままで、搭乗口へ近づくにつれて、紫耀くんの私の手を握る力が、強くなっていくのが分かった。

日本へ戻ったら、もうこんな風に、寄り添って外を出歩くことも、手を繋いで歩くこともない。

あと、ほんの少しの”普通”のカップルでいられる時間を惜しむかのように、わざとゆっくりと歩いた。

「じゃあ、ここで」

搭乗口へ着くと、離された手。

「先に行って。少し離れて行くから」

紫耀くんの笑顔に寂しさが浮かんでる。

分かった、って言って、紫耀くんに背を向けて歩き出した。

私も寂しい……。けど、左手に光る指輪が、それ以上の勇気をくれる。

今度日本に戻ったら、これまで以上に、紫耀くんの支えになれる彼女でいたい。

…いつか、奥さんになれるんだから。

そう思うと、寂しさが薄れてきた。

と、

「A！！！」

紫耀くんの声がして、振り返ると同時に、甘い香りに包まれていた。

行き交う人たちが、抱き合う私たちを見てる。

何も言わずに、ただ、ぎゅっと私を抱きしめる紫耀くんの背中に、そっと腕を回す。

「…愛してる……」

紫耀くんはそう言うと、人の目も気にせず、私にキスをした。

私も同じ。誰よりも、愛してる。

ずっと、一緒にいるからね。