ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ３*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ46)

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胎動ーRen ページ46

「赤ちゃんの服て可愛いなぁ！」

「でしょー？このお店は安くて可愛いものが売ってるんだー」

Aさんと赤ちゃん用品を買いにきていた。

買うものが多くて、大きなショッピングカートは溢れそうになってる。

一緒にきてよかった……。

「ちょっと買いすぎちゃったかな…永瀬くん持てる？ちょっと持とうか？」

「ええよ！…こんなん余裕やから！」

両手いっぱいにいくつも袋を抱えてる俺を見て心配してるAさん。

本当は腕が攣りそうやったけど、ここは男を見せな。

アパートに戻ると、買ってきたものを部屋に並べる。

六畳の部屋はほとんどが赤ちゃんの物で占められていた。

「腕、大丈夫？」

「平気やでー！必要なもん全部買えた？」

「たぶん大丈夫。本当にありがとう！」

腕がまだジンジンしてたけど、Aさんの笑顔を見たら、そんなもんは吹っ飛んだ。

少しでも、助けになれてるならそれでいい。

と、麦茶を入れてるAさんの顔が苦しそうに歪んだ。

え？まさか陣痛！？

「どうしたん！？」

「あ…ちょっと、胎動が激しくて…」

「胎動？」

「お腹の中で赤ちゃんが動いてるんだけどね、元気な子みたいで、痛いくらい激しいの」

そう言いながらお腹をさするAさん。

痛いくらい…て、どんだけ元気なんや。

Aさんは、麦茶を机に置くと、自分のお腹を指差した。

「見て？ここ、お腹動いてるのわかる？」

見ると、お腹の表面がグニグニ動いてた。

「なん！？これ、中で動いてるん！？」

「そう。元気すぎるよね」

衝撃的。お腹の赤ちゃんて、エコーでしかわからんもんやと思ってたのに、その存在が目に見えて分かるなんて。

どんな感触なんやろ…。わかるんかな…。

「ちょっと…触ってみてもいい？」

思わず口に出してしまっていた。一瞬驚いた顔をしたAさんやったけど、すぐに微笑んでうなづいてくれた。

そっと、動いているお腹に触れると、手にボンッと蹴られる感触。

「うぉ！蹴ったで！？力つよ！」

驚いてる俺を見て、声をあげて笑うAさん。

「元気やなー」

また触れると、蹴られる感触が伝わる。

「やんちゃそうな子や」

あったかい気持ちになって、自然と笑顔になった。

まだ、会ったこともないのに、可愛くて仕方ない。

早くこの子に会いたい。

これまで感じたことのない感情が、湧き上がってきていた。