ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ３*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ20)

今日:14 hit、昨日:6 hit、合計:318,121 hit

呼び出し。ページ20

SNSにレシート画像が拡散されてから、２週間。
事務所が全力を挙げてマスコミ対応してくれたおかげで、テレビや週刊誌でそのことが報じられることはなかった。

けれど、ネットの情報を止めることはできず、
噂は広がり続け、
ついに朝比奈さんの耳にも入ってしまったらしい。

朝比奈さんに呼ばれてきたのは、以前と同じホテルの部屋。

一緒に来た高梨さんの顔は、明らかに疲れてた。。連日のマスコミ対応とスポンサーへの説明。加えて、俺の仕事のマネージャー業務で、家にもまともに帰っていないようだった。

けれど、俺に対して小言ひとつ言わず、Aについて問いただすこともしないでいてくれる高梨さんには、感謝することしかできなかった。

部屋に入ると、以前と同じく、大きなソファに朝比奈さんは座っていた。

俺の姿を見ると、目を細めて微笑んでる。

怒って…ない…？

朝比奈さんは、高梨さんに目を向けると、

「紫耀くんと２人にしてくれない？」

と言った。

まただ…。またふたりきりになって、今度はなにを話すんだろう。

以前されたキスを思い出し、嫌な予感が頭の中をよぎる。

「それは…「いいから２人にして」

高梨さんの声を遮り、ピシャリと言い放つ朝比奈さんの声に、冷や汗が流れる。

逆らえるはずもなく、高梨さんは出て行った。

…やっぱり、怒ってるんだ…。

静かに深呼吸した。

なにを言われても、弁明のしようがない。

俺が…悪いんだから…。

「どうして呼ばれたかは、、分かってるわよね？」

グラスを傾けながら、俺の方を見ずに話す朝比奈さんに頭を下げる。

「はい…。…申し訳ありませんでした」

「頭をあげて？
…どんな子なの？あなたが指輪を渡した相手って」

「え……」

「興味があるの。紫耀くんみたいな素敵な子が選ぶ子って。ねぇ、教えて？」

微笑んで、まるで恋話をするかのように聞いてくる朝比奈さんに戸惑う。けれど、ここは、話さないわけにいかない。

「…僕が、芸能人になる前から、ずっと応援してくれてて…なってからは、一番のファンでいてくれて、、今も、支えてくれる人です…」

「そうなんだ。ってことは、長い付き合いなのね」

「はい…」

「それなのに、これまで誰にも知られなかったなんて、凄いわね。

きっと、知られないために頑張ったのね。

…安永Aさんは」

一瞬、言われた意味がわからなかった。