み ち ゃ っ た

この先一生巡り合えないタイプ ページ14

．



「「・・・」」


結局、何だかんだあって黒尾くんと教室に帰っていますが、
ルンルンしてらっしゃる。

バレー部の人、要注意なのかな、みんな勘が鋭いのかな



「Aちゃんはさ、いつもあそこに居んの？」

「そうですね、ほぼ毎日」

「マスクの下、見られたくないから？」

「、、まあ、そんな所です」

「可愛いのに、台無しじゃない？」

「可愛いなんて、滅相もないです」



彼女さんいるのに、そういうこと言っちゃう人なんですか

視線が痛いんだよな、偶に殺気を感じる
前の席に座ってるだけで、あの子は何がそんなに不安なんだろう



「、、Aちゃん、さ、彼氏はいるの？」

「え？彼氏は、、」



、、、あ。



「あ、黒尾くん、あそこにいる身長の高い子はバレー部ですか？」

「えっ？いやあれは違う、、、、ね」



．




いやいやいや、めっちゃ勇気だして聞いたけど不発だったぁああ←
てか何でこんな不自然に話題変えて、


、、ああ



「Aちゃん本当に優しいね」

「ｯえ？」

「“アレ”、見せないようにしてくれたんでしょ？」

「、え、と」



窓の下に見えるのは、うちのクラスの委員長と、俺の現カノジョ。
が、腕組んで密着して歩いてるとこ。

そう、浮気してるなんて最初から知ってたりする。
見たのは初めてなんだけど。



「余計な気遣いでしたね、すみません」

「いや全然！知ってたし！！」

「そう、ですか」

「うん。むしろ配慮してくれてありがとネ」



結局こうやって別れるから、別れ話に持ち込むのも面倒でズルズルやってたけど、
失敗したな、まさかAちゃんに気ぃ遣われるなんて



「、、笑ってないですね」

「へ？」

「少し残っていた希望を失くすと、最後に残るのは自己嫌悪だったり、します」

「、、、」




「！、すみません出過ぎたこと、、」

「いや全然、あってるし」

「、、」

「やっぱ、ちょっと信じてたんだよ。で、結局こうなる。
そんな自分がバカみてぇって、最後は思ったりしますよ、うん」

「、、、人間味があっていいと思います」




「ブｯフ←」

「えっ、」

「今のフォローだったりする？ｗｗｗ」

「、、、至らずに申し訳ないです」

「ああああそういうんじゃなくて！！」



駄目だ。ただのマスクちゃんだったのに。
陰キャだとかコミュ障だとか思っちゃってたけど。





「ねぇAちゃん」

「はい？」

「今週土曜日の午後、空いてたりしない？」




結構、本気でいこうと思う。

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