【終わりのセラフ】孤独なお姫様３

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フェリドside.



おかしい。



僕はAちゃんを見るとおかしくなる。



彼女に触れるだけで、もっとそばにいたいと思う。



恋愛感情だろうか。



吸血鬼にそんな感情はないはずだ。




＿＿＿｢…Aちゃんはさ、まだ彼のことが好きなの？｣



そう聞こうとしてやめた。



答えを聞くのが怖かったのだろうか。



分からない。考えるだけ無駄だ。



でも、僕を見上げてきたあの顔。



可愛いと言っただけで赤くなる顔。



髪が伸びて前より更に大人びた姿。



Aちゃんがここに来てから色々な表情を見てきた。





彼は僕よりももっと彼女のことを知っているのか。




それを思うと自分の中の感情にどす黒いものが絡まって広がっていく気がする。





｢…僕らしくないね｣





まあそうは言っても僕はまだ彼女が知らない帝鬼軍の、彼の秘密を知っている。



その事実を知った時、Aちゃんはどんな顔をするだろう。



今から楽しみだよ。

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