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129. ページ39

_テレビ塔


数分前.



狙撃する地点へ到着すると、深夜は下を見下ろした。


(流石にこの近くには来てないか…)


ここへ来る途中、何度か周りを見てきたが、Aの姿はなかった。


近くにいないだけで、もう名古屋にはいるのだろうか。


考えたくはないが、名古屋に来ない可能性もあるかもしれない。


(…でも今は任務に集中しないと)





「ふー、ふー、ふー」


「はい、与一君落ち着いて〜。緊張しない。任務開始まであと2分だよ」


緊張で息を荒げる与一に、深夜は話しかける。


「で…でも僕らが失敗したら…」


「失敗しないよ。狙撃の僕らだけですべて終わらせる。でも…失敗しちゃってもまだ白兵戦チームがいる。だから気楽にね」


「気楽に…?」


「君、狙撃任務での実戦初めてなんでしょ?グレンに教えてやってくれって頼まれた。全部教えてあげるよ。だから落ち着いてまず深呼吸」


「あ…はい」


与一は息を吸い込む。


「で、気持ちを楽に。ゆったり空気を支配する。狙撃組は誰よりも冷静に敵を殺し、仲間を援護し、そして逃げ遅れた仲間は捕らえられて拷問される前に殺す仕事だから」


「なっ、殺すって…!!」


「必要ならだよ。でも君がここで緊張してたら仲間が死ぬよ」


「あ…」


「はい、深く呼吸。それから止めて鬼を呼んでごらん」


再び与一は息を吸い込み、


「おいで、月光韻」


鬼の名を呼んだ。






「すみません、落ち着きました」


「よし、もう吸血鬼が出てきてる。照準で捉えて。でも任務時間まで殺気は出さない。気づかれるから」


「はい」


そして与一は白虎丸を構える深夜の隣で月光韻を構えた。


「…一般吸血鬼がかなりいますね」


「無視。貴族だけ狙おう。貴族を殺し損なったら白兵戦チームのために一般吸血鬼の排除に回る」


「はい」


「貴族は情報通りベンチにいるよ。見てごらん、あれがルカル・ウェスカーだ」


与一は息を飲んでベンチを見つめた。

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まーまれーど(プロフ) - さくらさん» こんにちは!初コメありがとうございます!!更新お待たせしてしまって申し訳ありません…!今日からまた再開予定なのでお楽しみに♪ (2020年12月30日 18時) (レス) id: f137423dc9 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 初コメ失礼します!今後の展開が気になります!!更新再開楽しみに待っています!! (2020年12月15日 19時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
まーまれーど(プロフ) - なるは。さん» こんにちは!コメントありがとうございます!とても励みになります、嬉しいです…!!2人の距離がだんだんと離れていって寂しいですが、今後の展開を楽しみにお待ちくださいね! (2020年6月11日 20時) (レス) id: f137423dc9 (このIDを非表示/違反報告)
なるは。(プロフ) - 面白い!更新頑張ってください!深夜と夢主ちゃん会えなくて切ないぃ……、再会できますよーに(-人-) (2020年6月11日 18時) (レス) id: 091bffa261 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーまれーど | 作成日時:2020年6月9日 9時

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