【終わりのセラフ】孤独なお姫様３

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「Aちゃんは百夜孤児院出身ではないから《終わりの天使》の因子を持った子じゃなかった。その代わり、血に特別な力が宿っている。だから百夜教に目をつけられたんだ。一方でミカ君は孤児院にいた。あの孤児院にはセラフの因子を持った子どもたちが集結していてね。表向きは普通の孤児院だけど、裏では子どもを使って実験をしている。なにせ百夜教は日本で1番の組織とまで言われているし」


『セラフの因子を持っていると新宿で起こったようなことになるの？』


「多分そうなるね〜。でもAちゃんはその心配はない……けど、新宿での一件。百夜教の手だけではあそこまで完成しないと思うんだよ。とすると帝鬼軍も怪しいね」


『…！』


Aは思わず顔を上げる。


「帝鬼軍も実験に手を出している。もしかしたらAちゃんを保護したのも百夜教と手を組んで実験するためだったりして〜」


『そんな…』


彼女の頭に深夜の姿がよぎる。


「まあこれは僕の推測だからね。そうだとは限らない。人間のことは置いといて、今回は僕ら吸血鬼側にも問題が起きた」


『クルルのこと？』


「そう。クルルもセラフの研究に手を出している。少なくとも数年前からだ。セラフの研究だけでなく、クルルはAちゃんにも手を出しているみたいだけど」


むっとした表情でフェリドは彼女を見た。


『手を出していると言っても、血を提供してるだけだよ。それも今はなくなったんだけど』

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