【終わりのセラフ】孤独なお姫様３

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『まってよフェリド。そんなに引っ張らないで』


彼はAの言葉を無視し、彼女の部屋へ入ると扉を閉めた。


『どうしたの？さっきから様子が変だよ』


部屋へ入るとフェリドはようやく手を離した。


「ごめんごめん、早くAちゃんと2人きりになりたくてね〜」


彼は振り返り、彼女を抱きしめた。


『フェリド、何か隠してることがあるんじゃないの？』


抱きしめられたまま、Aは聞く。


「…Aちゃん冷静だねぇ。この前みたいにぎゅってしてくれてもいいんだよ？」


『はぐらかさないでちゃんと答えて。クルルも関係しているんでしょう？』


「もう…分かったよ。その前に血を吸わせてほしいなぁ〜。そしたら話すから」


『……』


無言で首元を晒したAにフェリドは微笑み、牙を立てた。









『それで？詳しく話が聞きたいんだけど』


吸血を終えると、Aは口を開いた。


「はいはい、約束だもんね。分かったよ…と言っても、僕も全部を知ってるわけじゃないんだけどね」


フェリドは彼女を自分の隣に座らせる。


「まず単刀直入に言うけど、Aちゃん。君も百夜教の被検体だ」


『うん、それは本当みたいね。私もってことはミカもそうなの？さっき言ってた話だとクルルも関係しているようだったけど…』


「そうだね。Aちゃんとミカ君は百夜教になんらかの実験をされていたことは確かだ。でも2人の違いはその内容だよ」


『内容？』


だんだんと話が複雑になっていくため、彼女は首をかしげた。

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