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95. ページ2

「え、ちょ、Aちゃん?さっきのは冗談で言ったんだけど…」


彼女から抱きつかれたことなんて、ましてや触れられたことなんて初めてで、フェリドは混乱する。

しかし、彼に回された細い腕が離れることはなかった。



『…私、もう出ていかないよ。ここにいる』



彼の背中に顔を埋めたまま、Aは言った。



「まって、いきなりすぎて状況がついていけないんだけど!?まず1回落ち着こうか」


フェリドは彼女の方を向き、一旦手を離した。



「出ていかないって、それはこの地下都市にいるってこと?帝鬼軍に戻りたいんじゃないの?」


『…もういいの』


「自分が犠牲になることで彼らが助かると思っているからでしょう?本当は君も戻りたいはずだ。彼にも会えるんだし」


『違う。もういいの、全部。私はここで貴方たちといるから。だから深夜にも会わせてくれなくて大丈夫』



Aの突然の変わりようにフェリドは驚く。

彼女が戻ってくるとは思っていたが、ずっとここにいるまで言われるとは思わなかった。

新宿で自分の元から離れた時に何かあったのか?
あのバケモノを見て怖くなった?
それともこれも何かの作戦なのか?

予測をすればキリがない。

だが、フェリドにとっては好都合だった。もう彼女を手放す必要がない。邪魔が入ることなく自分のものにできるのだ。


「何があったのかは分からないけど、Aちゃんがここにいてくれるのは嬉しいよ。安心して、何かあっても君のことは僕が守るから」


フェリドはそう言って今度は自分からAを抱きしめる。


『…うん』


「これからもよろしくね、Aちゃん。じゃあおやすみ」



彼女にそう告げると、彼は部屋から出ていった。

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まーまれーど(プロフ) - さくらさん» こんにちは!初コメありがとうございます!!更新お待たせしてしまって申し訳ありません…!今日からまた再開予定なのでお楽しみに♪ (2020年12月30日 18時) (レス) id: f137423dc9 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 初コメ失礼します!今後の展開が気になります!!更新再開楽しみに待っています!! (2020年12月15日 19時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
まーまれーど(プロフ) - なるは。さん» こんにちは!コメントありがとうございます!とても励みになります、嬉しいです…!!2人の距離がだんだんと離れていって寂しいですが、今後の展開を楽しみにお待ちくださいね! (2020年6月11日 20時) (レス) id: f137423dc9 (このIDを非表示/違反報告)
なるは。(プロフ) - 面白い!更新頑張ってください!深夜と夢主ちゃん会えなくて切ないぃ……、再会できますよーに(-人-) (2020年6月11日 18時) (レス) id: 091bffa261 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーまれーど | 作成日時:2020年6月9日 9時

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