透明造花 [Koki.K] (ページ34)

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私と光輝が付き合い出したという噂は瞬く間に学校全体に広まった。

それもそうだろう、渦中のイケメン転校生。転校初日から誰に告白されてもOKの返事をしなかった男が自分から告白したのはただのクラスメイト。

良い意味でも悪い意味でも、有名になってしまった。

この人にも。

「A」
「…皇輝」
「この前はいきなりごめん」

放課後、光輝に腕を引かれるまま靴箱に向かっていると1番会いたくない人に出会してしまった。

それも最悪のタイミングで。

「キミが皇輝だよね」

私の代わりに返事をしたのは他の誰でもなく光輝だった。

穏やかな口調だけど声が冷たい。
最悪のシチュエーションだ。光輝といる時に彼には会いたくなかった。

「キミも光輝だよね」
「はじめまして」

バチバチと
見えない火花が二人の間に散っているのが見える。

私はいたたまれなくて、思わず目線を下にズラした。
上履きの青いソールがやけにビビッドに浮かんで見える。

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