透明造花 [Koki.K] (ページ27)

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青木と何気なく話している時のことだった。

5限終わりの休み時間、あと1時間授業を受ければ帰れるある意味1番楽しい時間。

放課後、新しく出来たカフェにケーキ食べに行こうよ、なんて甘いものが食べたいって言う青木に誘われて
特に用事もない私は二つ返事でOKした。

放課後にいきなり出来た楽しみに、少し浮かれ気分でいたから私はあの時何も考えずに返事してしまったんだ。

教室のドアの所から声が聞こえて、誰かに自分の名前を呼ばれた。その声を誰のものかなんて考える暇もなく振り向いたら、そこには皇輝がいた。

もし皇輝の声だって気づいていたら、絶対に振り向いたりしなかったのに。無視して、何なら光輝を盾に話しているフリをして、気づいていないフリが出来たのに。

皇輝が呼んだのは私の名前で、私達は目が合ってしまったから。

私は仕方なく、自分の席から立ち上がり重たい足を引き摺った。

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