透明造花 [Koki.K] (ページ25)

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1週間経つ頃には、言っていた通り動物園状態は終わり、私は自分の席から動かずとも生活が出来る平和な日々がやってきた。

そして、それと引き換えに

「黒田くん、ちょっといい…？」

光輝は、休み時間も自分の席でゆっくりと過ごせない可哀想な日々が始まった。

「黒田またお呼び出しかよ。転校してきて何回目？」
「ん～、5回目とかじゃない？」
「はあ？俺今年入ってまだ2回しか告られてないんですけど！」

お前の告られた回数なんか知るかボケ、と思うけど、元木の言う通り光輝の呼び出し回数は異常だった。

1日1回は誰かに、それも必ず女の子に呼ばれ席を立っている。

そして1日1回は必ず、誰かが「転校生に振られた」という噂が聞こえてくるのだ。

「A」
「…っ？」

ぼーっとそんなことを考えながら欠伸をしていたら、脳内にいた張本人に名前を呼ばれて心臓が跳ねる。

告白を今日もきっちり断ってきたらしい光輝がいつの間にか自分の席に帰って来ていた。

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