透明造花 [Koki.K] (ページ24)

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転校生、なんて滅多にないから

光輝は上野動物園のパンダみたいに色んな人から見られ、寄られ、話しかけられ
何も分からない転校生に色々教えてあげようって建前を言えば、確かに聞こえはいいけど

見てるこっちが気の毒になるくらい、光輝はいきなりクラスの人気者に輝いた。

「そんなにいいもんかねぇ、転校生って」
「まあ少なくともお前よりはイケメンだし。な、A？」
「え、私に振る？」

その日、クラスの人気者を呆気なく奪われた元木は、何だかつまらなさそうに頬杖をついてその不機嫌の原因を眺めていた。

何時もならとにかく人が多いところに集まってバカ騒ぎするくせに。

「まあ、あんなの一時的な流行りみたいなものだし。皆きっと1週間もすれば飽きるよ」
「それはそれで何か可哀想だな」
「まああれは、確かに」

私の言葉に、檜山と元木がうんうんと頷きながら突如教室に現れた塊に目を向けた。

光輝の席にクラスメイトや転校生を見学しに来た隣のクラスのお調子者まで何故か群がるように集まるもんだから、光輝の前にある自分の席がある私は居場所がない。

あんな所に行ったら人に埋もれて窒息死してしまいそう。

「でもなんかアイツ、不思議な感じするよな」
「不思議な感じ？」
「ただのイケメンじゃないっつーか、変なオーラある」

そう言われて光輝の居るであろう辺りに目を向ける。

人に囲まれてて今はその姿が見えないけど、なるほど。確かにそうかもしれない。

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