22 ページ22
×
青木が私の分もノートを取ってくれていて、私はそれを有難く受け取った。
コイツはこういうとこ、マメだ。
ルーズリーフに綺麗に纏められている板書はとても分かりやすくて、字も私のより綺麗だった。
それが何だかムカついたけど、青木の性格を表しているようで嫌いじゃない。
「そう言えば、Aが休んでる間に転校生来たよ」
私が席に着くと、着いてきた2人が何処かから椅子を引っ張ってきて私の机を囲うように座った。
トイレにでも行っている間に青木に椅子を盗られたらしい豊田くんが自分の席に椅子がないことに気づきオロオロとしている。なんかごめん。
「へえ、転校生」
「うん。なんか不思議な子だった」
「天然系？」
話を聞きながら適当に引き出しをまさぐると、大量のプリントがぐしゃっと音を立てた。
掴んだ束は方向があちこち遊んでいて、絶対にテキトーに入れられたであろう、大量の課題やらお知らせやらのプリントだった。
B4の用紙も半分に折られることなく乱雑に突っ込まれている。
「げ」
「んもー、平塚本当に雑！」
「ん？俺？」
右前の席に座っていた平塚くんが、青木に呼ばれ振り向いた。なんの事か分からないって顔だ。
「プリント！せめて纏めるとか畳むとかしようと思わないの？テキトーに突っ込んだでしょ！」
「え！俺じゃないよ！湧だよ湧！」
「ちょっと湧くん？！」
青木のターゲットが次は私の右隣の席に座っている元木に移った。
気づかれなかったらやり過ごそうと思っていたのか、あからさまにぎくっとしている。やっぱりお前か。
「へへっ！ごめんごめん」
「もー！」
何故か私の代わりに青木が怒っているけど、それはそれで楽しかった。
元木のおちゃめなテヘペロ顔(可愛くはないけど)に免じて許してやる。
わちゃわちゃしている2人を横目に檜山がプリントを畳むのを手伝ってくれて、そうこうしているうちに朝のHR開始のチャイムが鳴って2人とも自分の席に帰って行った。
×
宜しければ評価等お願い致します、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 649人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ベルカ | 作成日時：2020年10月23日 12時
