透明造花 [Koki.K] (ページ21)

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教室に入るなり、クラスメイトの青木にタックル並の抱擁をされた。

彼なりのスキンシップのとり方だから、別段驚くことはない。コイツは下手すれば女子よりも距離感が近い。

自分より一回り大きい人間の体重を受け止めたのだから、思わずよろめく。

それを見て檜山が私から青木を引き剥がしてくれた。
檜山の注意には青木も大人しく従う。

「コラ、Aまだ病み上がりなんだから」
「だって寂しかったんだもん。4日だよ？流石に死んだかと思った！」

ハッキリすぎる青木の物言いに思わず苦笑い。私も、正直死ぬかと思った。

「もう大丈夫だよ、ありがとう」
「雨の中で遊んでて風邪引いたんでしょ？こんなに寒いのに！ずっと馬鹿だとは思ってたけどここまでとは思ってなかった！」
「ちょっと」

雨の中外で遊ぶ、なんて私そこまで馬鹿じゃない。

小学生か、と思わず慣れない突っ込みを入れそうになった。

学校に休みの連絡をする時、わざわざ風邪を引いた理由なんて言わなくてもいいのに。お母さんは馬鹿正直だから、誤魔化しや嘘が下手くそだ。

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