002世界って広かった ページ2
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なんだここは。
彼女は自分が異質であることを理解していた。外の世界とは隔絶された場所で生きてきた自信もあった。それでも。
空を飛ぶ大きな楕円体。
硬質なナニカで出来た建造物。
大きな鉄塊が走り回る謎の溝。
どうやら彼女が持っている端末もだいぶ前のものらしい。仕方がないからなけなしのお金で新しいものを買った。...世界って広かった。
「それにしてもどこに行けばいいんだ...?」
知っている人居ないかな、と近くにあったお店に入り店主に話を聞こうとする。...何か頼まないと不味いかな。適当にこの手の店にありそうなものを考える。メニューの端に書いてあるヤツでいいか。
「ステーキ定食を」
「...焼き方は?」
焼き方、焼き方、どうしようか。一瞬逡巡した後に時間もあるしいいか、と思い直すと「弱火でじっくりで」と答えた。あいよ、と軽い返事の後に店員らしき人に奥へと促される。
「どうぞー」
「どうも。...仕事が早いね。美味しそうだ」
早くも焼き始められたステーキが鉄板の上に堂々と乗っかっている。用意された椅子に座るとパタンとドアが閉められる。唐突に閉められたドアを見て彼女は首を傾げた。
「私だけ個室なんだ...変な店」
そう言い終わった頃合を見計らったかのようにカチ、と音がして一瞬の浮遊感の後に落ちていく感覚が本能を掠めた。どうやら、遥か下に移動しているらしい。
それにしてもこのお肉美味しい、と頬張りながら虚空を見つめているとゆっくりと部屋は停止した。機械音と共に開いたドアを見て感心する。
...成程、今この世界にはこんな機械があるのか。
「どこココ」
「...おい嬢ちゃん。ここはテメェみたいなガキが来るところじゃねぇよ。ハンター試験舐めてんのか!?」
「へぇ、ハンター試験会場、ここなんだ」
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うにゃ猫(プロフ) - 最高 (2月18日 8時) (レス) @page6 id: cc23ee52af (このIDを非表示/違反報告)
Сириус(プロフ) - 読むの楽しみなので頑張ってください! (1月23日 15時) (レス) id: 508554bf67 (このIDを非表示/違反報告)
しちみ - オモロイ! 頑張って! (12月19日 14時) (レス) @page7 id: aad8a29070 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - コメント失礼します。もう一方の作品の方に更新させていました内容では占いツクールではないサイトでの盗作だったそうで、それを間違えて占いツクールで注意喚起として投稿してしまったそうです!なので作者様は違いますよ!楽しく読ませていただいてます! (12月17日 11時) (レス) @page7 id: 5c186ac1c8 (このIDを非表示/違反報告)
みんとさん - お知らせを見てもう一方の作品(だろうと思われる)方も読んでみたのですが大丈夫...だと思います。 相手様がどう思われてるかは分からないのですがおそらく展開とかも違ってくると思うので...部外者が失礼しました。面白いのでこれからも更新して下さるとうれしいです! (12月16日 12時) (レス) @page7 id: aad8a29070 (このIDを非表示/違反報告)
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