ハーツラビュルの寮のアリス２ (ページ38)

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ヴィル先輩の部屋から植物園に向かうまで、
いろんな人にジロジロと見られるので先輩に隠れながら歩いた。

ヴィル「ちょっと、歩きにくい。」

『だって、なんかみんなにジロジロ見られるんですよ！
私、似合ってないんじゃ・・！？』

ヴィル「・・あんた馬鹿？
みんな見惚れてるのよ。すれ違った奴らみんなぼけっとした顔であんたのこと見てたわよ。」

『え、えええ。』

ヴィル「トレイ、彼女連れてきたわよ。

ちょっと、隠れてないで前に出る！！！」

『うわっ！』

グイッとヴィル先輩に腕を掴まれてトレイ先輩の前に押し出される。

トレイ先輩と目が合うと先輩は一瞬目を丸くした後、少し頬を赤らめて苦笑いをした。

トレイ「ヴィル、、やってくれたな。」

ヴィル「当然でしょ。ポムフィオーレの専属パティシエを断った戒めよ。

どう？かわいい彼女は。
この子磨きがいがあるわ～。」

ルーク「トレビアン！！！
白い肌によく似合う薄ピンクのメイク。

さすがは”毒の君”！！！」

『・・・トレイ先輩、どうですか？』

トレイ「・・かわいいよ。本当に。

はぁ、、こんなに可愛くなるなんて、ヴィル。誰にも見られてないよな？」

ヴィル「残念ながら何人かには見られてるわよ。
まぁ、自分のものって示しておいた方がいいかもね。」

トレイ先輩は思いっきり項垂れる。

『？？？』

ヴィル「じゃあ、私たちは帰りましょう。
A、またうちの寮にいらっしゃい。」

ルーク「いつでも歓迎するよ！マドモアゼル！」

『ヴィル先輩！ありがとうございました！
ルーク先輩、お疲れ様でした！』

二人が帰ってもトレイ先輩は黙ったままだった。

『・・・先輩？』

トレイ「少し心配なんだ。
再来週から歌のバイトもあるだろう？
それに、こんなにかわいい姿を誰かに見られたんだ。

俺の彼女が他の男の目に入るのが、、

っ、すまない、余裕がない男で。」

私はトレイ先輩の手をギュッと握る。

『確かに、バイトとか先輩を心配させることしちゃうかもですけど、、

私は先輩しか見ていませんよ？
また、あんなことがない様に、ちゃんと気をつけますから。』

トレイ先輩は私をギュッと抱きしめた。

トレイ「お前のことは俺が守るから。
どんなに過保護と言われても、
周りに馬鹿にされても。

俺の大切な彼女だから。」

先輩の気持ちが嬉しくて、私も先輩の背中に腕を回した。