ハーツラビュルの寮のアリス２ (ページ19)

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69皿目ページ19

『んーっと、
その子はハートの女王に使えていたウサギで、
初めて魔法を出した時に、そのウサギが頭に浮かんだのでペンから出てきたんです。』

レオナ「・・へぇー。まぁ、お茶会をしてる呑気な奴らのことはわからねーが。
捕食者である俺のところに容易に来るなんて。
躾がなってねーな。」

そう言いながらも、レオナ先輩はウサギを撫でている。

そして、ウサギもなんだか気持ちよさそう。

レオナ「それより、テメー。何持ってんだ？
土くせぇー。」

『これは、その子のご飯の人参です。
この植物園で栽培してるので収穫に。』

レオナ「俺は野菜が大嫌いなんだ。
この旨そうなウサギをさっさと連れてけ。」

う、旨そう！？！？

私はとっさにウサギに駆け寄り、抱きかかえた。

『た、食べたらダメです！！！！！』

レオナ「うるせー。叫ぶな。
それより、お前怪我は治ったのか？」

『あぁ、レオナ先輩達とあった日の夜に、
マレウス先輩が寮にやってきて全て直してくださいました。』

レオナ先輩はマレウスと言う言葉に明らかに不機嫌な顔をした。

本当に仲悪いんだ。

『ま、あなた達二人の関係が引き起こした喧嘩なので、マレウス先輩に治してもらってよかったです。』

レオナ「おい、随分と言うじゃねーか。」

『当然です！！！！
顔の頬にヒビが入ったんですよ？
下手したら顔の形変わってたかもしれないし。

単なる生徒の喧嘩かと思ったら、寮長同士が仲悪いなんて。とんだとばっちりです。』

レオナ「ったく。きゃんきゃん吠えるな。
あれは悪かったって言っただろーが。」

『・・・ふふっ。ごめんなさい。
この子のこと旨そうって言った仕返しです。』

レオナ「・・お前、年上をなめてんのか？」

『いーじゃないですか。
私だって色々とあってムシャクシャしてるんです。

お昼寝の邪魔してすみませんでした。
失礼します。』

レオナ「・・・おい。」

『・・何か？』

レオナ「・・そいつのエサ、忘れてるぞ。」

『え？・・・っあははは！！！
本当だ！すみません！』

レオナ「お前、変わった女だな。」

『ははっ。よく言われます！
ありがとうございました！』

レオナ「(あいつから微かに匂う香り、、なんだったか？)」