27皿目 ページ27
次の日の目覚めは最悪だった。
寮長に付けられたこの首輪があるため寝づらかったもあるが、昨日のトレイ先輩の顔がずっと頭から離れなかった。
トレイ先輩は寮長について、何か言いたげな表情をしていた。
真相を知るためにも、エース達のところに行こう。
エース「やっぱり、ここに来ましたね。」
トレイ「お前達か」
先輩は私と目を合わそうとしなかった。
エース「マロンタルトのレシピを返しにくるだろうと思ったから、ここで待ち伏せしてたんですよ。」
エース達は寮長のやり方が気に喰わないこと、
どういう生い立ちであのような性格になったのか、
チェーニャさんから聞いた話を元に、トレイ先輩に問い詰めた。
先輩は言いづらそうな顔をしながら、ポツポツと寮長の生い立ちについて語ってくれた。
厳しい教育環境のもと、幼少期を過ごした寮長。
母親からの重圧に答えるために、今まで全て学年首位を保持し続けた努力。
厳しいルールが相手のためになると思ってのユニーク魔法。
ルール違反を許せば、ルールを守ってきた自分全てを否定してしまう。
そのことが、今の寮長を作り上げた原因だった。
でも、どこかで、、その事に気づいて誰かが手を差し伸べてあげたら。
寮長は変われたのかな?
トレイ「お前達が、リドルを横暴に思うのはわかる。
やり方が正しくないのも。
だけど、俺にはあいつを叱ることはできない。」
ずっと黙り込んでいた、エースが口を開いた。
エース「今の話を聞いて、よーく分かった。
リドル寮長があんななのは、アンタのせいだわ。」
その場にいた全員がエースの言葉に驚いた。
エース「子供は親を選べないからしょうがない。
でも、アンタは少なくとも寮長の親が寮長にやってきたことは間違ってるって昔から思ってたんでしょ?
今の寮長が親と同じ間違いをしてるって思ってるなら
ちゃんと言えよ。直してやれよ。
可哀想だからって甘やかして、
あいつがみんなに嫌われて孤立していくのを見てるだけ?
そんなの、友達でもなんでもねーよ!」
エースの発言には驚いたが、その意見には賛成だった。
デュース「おい、エース。」
『寮長の話を聞いて、寮長の辛さ聞いてくれる、話せる相手ががいたらって思いました。
先輩は、そうしようとしたんですよね?』
じっと黙り込んでたトレイ先輩が口を開こうとした時、学園長が「図書館では静かに!」と誰よりも大きな声で私たちの元に駆け寄ってきた。
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作者名:みず | 作成日時:2020年7月1日 15時