反対色な僕ら【降谷零】 (ページ8)

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第5話ページ8

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ギャーギャー騒ぎながら走る連中に、ここ警視庁警察学校の教官を務めている鬼塚八蔵は怒声を轟かせる。

まだ入学式から幾日と経っていないと言うのに、何度叫んだことだろうか。

｢鬼塚教官、厄介な連中を引き受けてしまいましたねぇ…しかも6人いっぺんに…｣

｢ええ……｣

そしてその隣では、白髪で腰も曲がっている年配の教官が鬼塚教官に同情を寄せていた。

｢とんだ貧乏クジですよ……どいつもこいつもクセ者揃いで…｣

キャップを被り直しながら、鬼塚は愚痴を漏らした。

降谷零
全科目オールA、長い警察学校の歴史でも類を見ない抜群の成績で入校、総代を務めた。だが、真面目すぎる性格と頭髪のせいか、他の学生とのイザコザが絶えない。

諸伏景光
兄が長野県警の優秀な刑事で、正義感は強いが、今も両親の事件のトラウマを抱えている。

伊達航
降谷に次いで総合力No.2、リーダーシップがある。しかし、彼も警察官だった父の辞職を引きずっている。

萩原研二
優れた洞察力とコミュニケーション能力を持っているが、そのスキルを女子学生の尻を追い回す事にしか使っていない。

松田陣平
面接のマイナスを学科や実技や高いレベルの専門知識でカバーしたのはいいが、傍若無人で協調性の無さは致命的。

加賀利尚
成績は女子の中で飛び抜けて良く、総合力はNo.3。
しかし、男勝りな性格と強い正義感の所為で度々トラブルを引き起こす。更には過去に遭った火事のトラウマを未だ抱えている。

｢先が思いやられるよ……｣

そうボヤきながらグラウンドを見れば、片や火花を散らしながら走る奴ら、片やそれを見て笑っている奴ら。

初っ端から手に負えないと分かりきった問題児達を眺めて、鬼塚はため息を零した。