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第2話 ページ5




「失礼しま〜す……」


誰もいない医務室に挨拶をして、私は薬箱が置いてある棚へと向かう。

目当てのものを見つけて手に取ろうとしたその時、後ろで誰かの足音とドアを開ける音が聞こえた。


「あれ……加賀利、さん?こんな時間に何してるんだ?」


猫のような瞳をぱちくりとさせながら入ってきたのは、諸伏だった。
彼もまた私と同じ班になったメンバーの一人であり、たしか降谷の幼馴染だと言っていたはずだ。


「諸伏こそ……私は、陣平が派手に喧嘩してきたから」

「もしかして、(ゼロ)が喧嘩売られた相手って……」


ゼロ?と私が眉を顰めると、諸伏は「ああ、降谷零のことだよ…!」と補足してくれた。

さしずめ彼も、幼馴染の手当という所か。

思った事は二人とも同じのようで、互いに顔を見合わせてふふっと笑う。


「にしても、降谷もよくやるよ……陣平はプロボクサーのお父さんに鍛えてもらったってのに」

「だろ?(ゼロ)は何でもできるから……!ボクシングもやってるんだ」


彼が"降谷零(ゼロ)"について話す顔はまるで自慢をしているように得意気で、彼らの仲の良さを物語っていた。


「ふふっ……君ら、本当に仲良いんだね」

「ああ、加賀利さん達もね」

「……加賀利でいいよ。ね、諸伏?」


ふわりと笑って言えば、彼もぱあっと花が咲いたような笑顔を向けてくれる。


「うん!改めてよろしく……加賀利!」


謎に握手を交わしてから、本来の目的であった薬箱をひとつずつ抱える。

あまりゆっくりしていると夜が明けてしまう、と教官の見回りに注意しながら一緒に寮へと戻った。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組 , 降谷零、安室透   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:りもねん | 作成日時:2022年5月28日 14時

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