第19話 ページ22
◇
バラバラと分解された銃が床に散らばり、それをバラした張本人の陣平が声を上げる。
｢あーーやっぱシリンダーストップいっちゃってたわ！｣
｢松田ァ！？｣
バレルとシリンダーの軸線もズレていたようで、これじゃー当たらねぇぜ……と言う彼に鬼塚教官は怒声を浴びせる。
すぐに元に戻せ！という教官に、陣平は最悪な態度を見せていた。
｢あちゃ〜、またやっちゃったか……｣
と言った萩に降谷は、また？と問う。
そう、陣平は分解魔だ。
昔から何でもかんでも分解しなければ気が済まないため、私のシャーペンやスマホ等、一体幾つが彼の餌食になったか分からない。
｢その分、メカには詳しいんだけどな！｣
｢爆弾とか特にね……｣
私達の言葉に、伊達班長は思いっきり引いた表情をしている。
大抵の人はそうだろう。
私と萩はもう既に陣平の起こす面倒事に慣れてしまったから、多少麻痺しているかもしれないが。
｢拳銃訓練は中止だ中止！！全員装備返却！松田はそこに立ってろ！｣
その教官の声に、えぇー、と皆文句を漏らしながらも装備を全て返す。
しかし、全て回収し終えたはずの補助教官の一言で、辺りは騒然とした。
｢えぇっ！？銃弾が一発返却されていない！？｣
どうやら実弾が一発だけ足りないようで、教官の矛先は立たされていた陣平に向く。
立ってろって自分で言ったくせに、何でまだ拳銃を組み立てていないんだ！？と言うのは理不尽すぎないだろうか。
当然、陣平もはぁ？と反抗の姿勢だ。
｢まあいい……くすねた弾をすぐに出せ！そうしたら今回は見逃してやる……｣
弾なんて持っていない、と正直に答えた陣平に、ウソをつくな！と決めつける教官に私は思わず声を上げた。
｢教官！陣平はそんなこと──｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りもねん | 作成日時：2022年5月28日 14時
