反対色な僕ら【降谷零】 (ページ17)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:30,054 hit

第14話ページ17

◇

陣平は萩に、降谷は諸伏に、そして私は伊達班長によってそれぞれ引き剥がされる。

｢お前ら、とりあえず落ち着け！｣

伊達班長の声に、ようやく私を含めた三人は大人しくなった。

とは言っても、陣平は頬をさすりながら痛ェ…と零しているし、降谷も頬に手を当てながらこちらを恨めしげに睨んでいる。

かくいう私も、眉間に皺を寄せて不機嫌を隠そうともしていないが。

｢まず、何があったの？｣

｢いやぁ……陣平ちゃんが喧嘩ふっかけて降谷ちゃんが買ったもんだから、それに尚ちゃんがキレて……｣

｢お前らなぁ……｣

状況を尋ねた諸伏に萩が答えると、班長は呆れ笑いでこちらを見る。

｢図書館(ここ)で喧嘩始めようとした二人が悪い……｣

｢いや、加賀利も大概な？！｣

余計な事するなって言っといたのに……と口を尖らせて文句を言う私に突っ込みながら、すみませんもう大丈夫なので…！と周囲に謝る班長。

一番何も悪くないのにその場を収めてくれて、なんだか申し訳なくなってきた私はごめん……と小さく謝った。

元々諸伏は降谷を夕飯に呼びに来たそうで、その道中で伊達班長とばったり会い、なら一緒に行こうとなったらしい。
ほとぼりが冷めてきたあたりでその二人は、じゃあな！と降谷を連れて食堂に向かって行った。

｢もう、零(ゼロ)はすぐ喧嘩買うから……｣

｢すまんな…景(ヒロ)……｣

そんなやり取りをして去って行く後ろ姿を眺めてから陣平の方へチラッと視線を送れば、あんだよ？という顔をする。

｢……私ちゃんと釘刺したよね？｣

｢…はいはい、悪うござんした……｣

｢絶対思ってないよねそれ｣

またもや言い争いが始まりかけると萩が慌てて、ホラお風呂行こう！と私達の背中を押して来た。

はぁい、と仕方なく返事をして、私達はお風呂の物を取りに寮へと向かった。