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Prolog ページ1
◇
桜吹雪が静かな月明かりに照らされる、深夜の警視庁警察学校。
眠れない夜に耐えかねて寮を抜け出した私は、ひとり穏やかな風がそよぐ中庭を散歩していた。
そこで咲き乱れる桜はあまりに美しく、うっかり現世を離れてしまったのではないかと錯覚させるほどだった。
働かない頭でぼーっと眺めていると、誰もいないはずの中庭の端の方から何か言い争うような声と鈍い打撃音が聞こえた。
ふと目を向けると、まるで深夜の静寂を打ち壊すかのように、二人の青年が桜の木の下で殴りあっていた。
こんなにも幻想的な景色に、物騒な喧嘩なんてものはさぞかしミスマッチであろう。
でも、その桜の花びらがひらひらと舞う様が不思議と彼らを彩っているように見えて、私は思わず息を飲んだ。
────この光景は私の心に酷く焼き付いて、ずっと忘れることなんて出来ないのだろう。
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作者名:りもねん | 作成日時:2022年5月28日 14時