丗話 自分の呼吸 ページ31
「よし、分かった」
唐突に実弥お兄ちゃんはそう言った。何が分かったのだろうかと見上げる私の頭にポンと手を乗せる。
「自分で新しい呼吸を作れ」
「…………え？」
どういう事？ と首を傾げた。呼吸って自分で作れるものなの？
あ、でも、確かしのぶさんの蟲の呼吸は彼女が独自に習得したって言ってた気がする。て事はやっぱり、自分で作れるって事だろう。
でも突然何故？
「どういう事？」
「Aは色んな奴の稽古を何百回も見学してたから、色んな呼吸の癖が自然と身体に出てきてんだよ。だから風の呼吸をやっても何か違ェ。多分それは他の呼吸をやってみても同じだ」
成程。確かにその通りだ。
「だったらいっその事自分で自分の特徴を活かした呼吸を作っちまった方が良い。命にも関わる事だからなァ」
「分かった」
自分で呼吸を作る、か……。大変そうだけどワクワクしてきた。
私の特徴は色んな呼吸の癖が身体に出てくる事。だったら私の呼吸も、色々な呼吸の特徴を混ぜ合わせて作るのが良いだろう。型ごとに性質が変わる、とか。
そうすれば鬼を撹乱するのにも役立つ筈だ。色々な呼吸を見てきた強い鬼からすれば、全く性質の違う技を出されるのは混乱するだろう。
……うん、何となく構想が掴めてきたかも。
「よし！ 頑張る！」
「頑張れ。常中の方も出来るようになれよォ」
「…………あ」
数分頭から抜けてた……。
「あ、そうだ。水柱さんと岩柱さんの稽古って見学出来るかな？」
「悲鳴嶼さんは大丈夫だと思うが……冨岡がどうだか」
「１人で集中してやりたい人？」
「いや、そもそも人に慣れてねェ奴」
……野生動物か何かですか？
「明日悲鳴嶼さんの所連れてってやる。鎹烏飛ばせば大丈夫だろ」
「やった！ ありがとう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瘉月(プロフ) - ゆずさん» 原作は悲しいこともありますが…それ以上に楽しいこともあるので、楽しみにしています！ (2020年9月14日 21時) (
レス) id: c566db76b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 瘉月さん» ありがとうございます！ 早く原作に入りたくてウズウズしているので、時間を見つけて更新しようと思います。 (2020年9月14日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
瘉月(プロフ) - 本当に面白いです！毎回見てます。頑張ってくださいね！ (2020年9月14日 17時) (レス) id: c566db76b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2020年8月8日 21時
