廿玖話 風の呼吸・弐 ページ30
めちゃくちゃ頑張った。それはもう、めちゃくちゃ。
その甲斐あってか、１週間もすると全集中の呼吸が出来るようになった。そんでもって実弥お兄ちゃんに凄く驚かれた。なんなら天元さんにもしのぶさんにも小芭内さんにも杏寿郎さんにも。
「お前どういう身体の作りしてんだァ？」
「私に言われても」
折角出来るようになったんだから褒めてほしい。皆驚くばかりで褒めてくれないのだ。多分驚き過ぎて忘れてるんだと思う。
全集中の呼吸が使えるようになったら、今度はそれを更に強化してゆく。全集中�狆鐫罩瓩箸いΔ蕕靴い修譴蓮⇒廚錬影�中、寝てる時も呼吸を絶やさないようにしろというものだ。
実弥お兄ちゃんに瓢箪を渡され、それを息だけで破裂させられるようにしろと課題を出される。肺活量の問題なので、ぶっちゃけ教える事があんまり無いんだと思う。
その代わり、刀の稽古が本格的になった。素振りだけでなく、実際に呼吸を使って技を出す。最初にやったのは、勿論風の呼吸だ。
「風の呼吸、壱ノ型」
足にも力を込める。
「塵旋風・削ぎ」
ふぅと息をついて振り返ると、私が通った所は地面が抉られていた。でもやっぱり実弥お兄ちゃん程上手くは行かず、規模も深さもイマイチな気がする。
最初から上手くいく方がおかしいのは分かってるし実弥お兄ちゃんと同じように最初から出来ないのも当たり前だけれど、それだけじゃないような。
試しに「どう？」と訊くと、やっぱり彼も微妙な顔をしていた。出来てはいるんだけど……みたいな。
「多分お前の場合、斬る事よりも速く移動する事に意識がいってる。雷の呼吸やってるみたいになってたぞ」
「成程……天元さんのがうつったかなぁ」
ポツリと呟いた。あんなに稽古の様子見に行っていれば当然だろうか。
確かに速く移動する事を主に頭に置いていた。
「まあ取り敢えず、他のもやってみろォ」
と、言われたので。
「弐ノ型 爪々・科戸風」
「参ノ型 晴嵐風樹」
「肆ノ型 昇上砂塵嵐」
「伍ノ型 木枯らし颪」
「陸ノ型 黒風烟嵐」
「漆ノ型 勁風・天狗風」
「捌ノ型 初烈風斬り」
「玖ノ型 韋駄天台風」
「……どう？」
「なんか違ェんだよなァ……」
自分でもやってて思った。なんていうかこう、実弥お兄ちゃんみたいな純粋な風の呼吸じゃないっていうか。
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瘉月(プロフ) - ゆずさん» 原作は悲しいこともありますが…それ以上に楽しいこともあるので、楽しみにしています！ (2020年9月14日 21時) (
レス) id: c566db76b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 瘉月さん» ありがとうございます！ 早く原作に入りたくてウズウズしているので、時間を見つけて更新しようと思います。 (2020年9月14日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
瘉月(プロフ) - 本当に面白いです！毎回見てます。頑張ってくださいね！ (2020年9月14日 17時) (レス) id: c566db76b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2020年8月8日 21時
