佰肆話 猪頭 ページ6
「…………え、これどういう状況??」
外に出たら、竈門君も我妻君も子供達を連れて既にそこに居た。2人のお兄さんもちゃんと救出出来たらしい。うん、そこまでは分かる。
何で上半身裸の男の子が口から泡吹いて倒れてるの? ていうか誰? この子。
「え、我妻君これどういう状況? って、凄い怪我してるけど大丈夫?」
「Aちゃん! いや、俺が外出てたらそこの猪頭も突然出てきて炭治郎の箱襲い出したんだよ。でもそれの事、炭治郎命より大切って言ってたじゃん? だから守ろうとしたんだけど、そしたら猪頭、今度は俺に攻撃してくんの! お陰でボコボコだよ……慰めてェ〜!!」
痛いんですけど!! と言いながら泣く我妻君に苦笑いする。
彼だって抵抗しようと思えば出来た筈だけれど、隊士同士の私闘は隊律違反だ。だからされるがままだったんだろうなと思った。
「じゃあ何でこの子倒れてるの?」
「俺が伊之助に頭突きしたんだ」
今度は竈門君が言う。
……え? 頭突き? それで気絶する? 普通。どんだけ頭硬いのあの子。
「…………そっか、よく分からないけど分かった」
それしか言えない。
鬼殺隊には常人離れしてる人結構居るし、そんなもんかなって。
「そうだA、遺体を埋葬したいんだけどいいか?」
「勿論。じゃあ5人で最初に男の人埋葬してくれる? 私屋敷から遺体運んでくる」
私の言葉に従って、竈門君と我妻君、3人の子供達は屋敷から飛び出してきた男の人を埋葬し始めた。
私も気配辿って遺体運んでこないと。
改めて屋敷の中に入って、思わず眉根が寄る。鬼を倒したにも関わらずまだ漂う、禍々しい気配。
男の人は私1人じゃ運べないだろうと思って、子供かな、と思う気配のする方へ向かってみた。案の定血塗れの小さい遺体がそこにはあって、運ぶよりも自分の中の怒りを収めるのに努力しなくちゃならなかった。
遺体を外に運び出したところで、さっきまで気絶していた男の子が元気になっていた。5人と一緒に埋葬してくれている。
気絶してる時は女の子みたいな綺麗な顔が普通に見えたんだけれど、今は猪の毛皮を被っていた。我妻君が猪頭って言ってたのこういう事か。
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ゆず(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます! 佳境に差し掛かっている掛け持ち作品がありペースは落ちていますが、そちらが終わり次第速くなると思います。 (2021年1月19日 18時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 面白く、一気に読ませていだきました!更新がとても楽しみです。 (2021年1月19日 17時) (レス) id: bc9653ee41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2021年1月1日 14時