佰拾弐話 鬼殺隊柱合裁判 ページ14
「いつまで寝てんだ、さっさと起きねえか!!」
怒鳴り声で目が覚めた。
顔を上げればそこに居たのは、6人の鬼殺隊の隊服を着た人達。
「柱の前だぞ!!」
柱……!? 柱って何だ? 何のことだ?
この人たちは誰なんだ? ここはどこだ?
一瞬で頭を疑問が埋め尽くす。その時に、自分が縛られて白い石上に転がされているのも認識した。
「ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるのですよ、竈門炭治郎君」
言ったのは、那田蜘蛛山に居た紫の目の女の人。
「裁判の必要などないだろう! 鬼を庇うなど明らかな隊律違反! 我らのみで対処可能! 鬼もろとも斬首する!」
「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ」
(えぇ……こんな可愛い子を殺してしまうなんて。胸が痛むわ、苦しいわ)
「あぁ……なんというみすぼらしい子供だ、可哀想に。生まれて来たこと自体が可哀想だ」
(何だっけ、あの雲の形。何て言うんだっけ……Aが居たら訊けたのに)
その人達は怒涛の勢いで話し始めた。
「殺してやろう」なんて誰かが言って、それに皆が賛成しているのに焦る。俺の事はともかく、禰豆子がどこにも居ない。善逸も伊之助も、Aも村田さんも。
禰豆子、禰豆子……どこだ、どこに居る。
「そんな事より、Aと冨岡はどうするのかね」
突然7人目の声が聞こえて驚いた。庭らしきここに生えている木の枝の上に、縞々模様の羽織を羽織った男の人が居た。
「拘束もしていない様に俺は頭痛がしてくるんだが。胡蝶めの話によると隊律違反は2人も同じだろう。Aは事情とやらを聞いてから判断するとして、冨岡はどう処分する、どう責任を取らせる。どんな目にあわせてやろうか」
その人が指差す方を向けば、冨岡さんがそこに居た。1人だけ離れた所に居るから気付かなかった。
「まぁいいじゃないですか、大人しくついて来てくれましたし。処罰は後で考えましょう。それよりも私は坊やの方から話を聞きたいですよ」
俺のせいで、冨岡さんとAまで……。
女の人に促されるまま話そうとすると、咳が出るばかりで声が出ない。
「水を飲んだ方がいいですね」と、その人が水を飲ませてくれた。
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ゆず(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます! 佳境に差し掛かっている掛け持ち作品がありペースは落ちていますが、そちらが終わり次第速くなると思います。 (2021年1月19日 18時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 面白く、一気に読ませていだきました!更新がとても楽しみです。 (2021年1月19日 17時) (レス) id: bc9653ee41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2021年1月1日 14時