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佰玖話 援軍 ページ11

その鬼は、パッと見た感じ男の子みたいだった。10代後半くらいの、若い男の子。
まあ鬼だから、実際はもっといっているんだろうけれど。

普通の男の子と違うのは、顔や身体が真っ白な事。髪もだ。目だけが赤い。


「つれない事言わないでよ。それにしても柱かー、キツいなぁ」


ペラペラ喋るなぁ。

私は日輪刀を握り直すと、その鬼の様子を窺う。十二鬼月ではないけれどそこそこ強い。倒せなくはないけど。


()に怒られたくないから、ごめんねお姉さん」


累……? 鬼の仲間? まあ良いか、そんな事。

私は鬼が掌が出してきた無数の硬い糸を躱しながら接近する。


「くっ!」


もう少しで刀の間合いに入るという時、焦った鬼が出してきたのは糸の壁(・・・)。勿論それだけ太いってワケじゃなくて、糸と糸の間に隙間が無い。から、躱せない。

……なら、斬るだけ。


「空の呼吸 弐ノ型 灰空薄雲・(せん)


本当は自分の周りを斬りつける防御用の技だけれど、今回は前方を斬れば良いだけ。

糸の壁を斬った私は目を見開くその鬼の頸に刀を当て、振る。
白い頭が地面に落ちた。


さて。早く十二鬼月の所に行かないと……ん?
何で十二鬼月の近くに人の気配感じるの? もしかして誰か遭遇しちゃった? 竈門君の気配と似てるの気の所為?

って、待って。


「これ、竈門君の妹も戦ってない……?」


幸いそこには十二鬼月と竈門君しか居ないから大丈夫だろうけれど、それでも早く行かなくては。
山の反対側だとか、そんな事言ってる場合じゃない。





☁☁☁☁☁





ポカン、ていう言葉が、今の私の表情を表す1番適切な言葉だと思う。


「何がどうしてこうなったんですか……?」

「あら、Aちゃん。お久し振りです、貴女もここに居たんですね」

「お久し振りです、しのぶさん。……って、そうじゃなくて。この状況は一体」


十二鬼月が居る為援軍として来たのであろう胡蝶しのぶさんが真っ直ぐ刀を向けているのは、同じく援軍として来たのであろう冨岡義勇さん。
彼の後ろには竈門君が居て、その竈門君は妹らしき女の子の鬼の上に覆い被さっていた。


「鬼を倒そうとしたら、冨岡さんが邪魔してくるんですよ」

「ああ、そういう…………何でですか?」

「さあ」


しのぶさんが義勇さんに刀を向けている理由は分かった。でも何故義勇さんが竈門君の妹を庇うのか。

……まあ、殺されてなくて良かった。

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ゆず(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます! 佳境に差し掛かっている掛け持ち作品がありペースは落ちていますが、そちらが終わり次第速くなると思います。 (2021年1月19日 18時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 面白く、一気に読ませていだきました!更新がとても楽しみです。 (2021年1月19日 17時) (レス) id: bc9653ee41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年1月1日 14時

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