マネちゃんは暗殺者 part２

決勝戦と帰宅 ページ36

ＩＨ宮城県予選、最終日。


青城は、決勝戦で白鳥沢と戦った。




コンビネーション、安定、柔軟性。そう言うものは、青城が上だったと思う。


でも、それでも。




「まあ、勝利への過程なんて関係ないよね。コートに球(ボール)を落とした方が負け」




セットカウント、２ー０。


青城は白鳥沢に、ストレートで負けた。




悔しそうな顔の皆になんて言ったら良いのか分からなくて、ただただ無言でタオルを差し出した。




「A、ゴメンね。学校有ったのに、手伝って貰っちゃって」


「良いの良いの。どうせ去年習ったところなんだから」




それに、と付け足す。




「あんなカッコいいところ観れたしね。・・・リベンジ、するんでしょ？」




ウィンクすると、徹はポカンとした表情をする。


かと思うと、みるみる笑顔を取り戻して、拳を突き上げた。




「皆、春高でリベンジだよ！」


「「「「・・・おう！」」」」




笑顔で小突き合う３年生を、後輩達が笑いながら見ている。




さっきまであんなに暗かったのに、もういつも通りだ。


切り替えの早さは、見習おうと思う。








「・・・じゃあ、お邪魔しました」


「Aちゃん、また来てね。いつでも大歓迎だから」




その日の夜、寂しそうなおばさんに笑顔で頷いて、私は及川家を後にした。




明日もどうせだし休んじゃおうかな、なんて考えながら、新幹線で東京へと戻った。

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