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明日人「一星、何やってんだよ。お前は悪いやつじゃない。プレーを見ていればわかる。どうして俺たちに何も話してくれないんだ。」
明日人のこの言葉にはきっと仲間として頼ってもらえなかったという寂しさ、やるせなさが含まれていた。
視線が一星に集まる中、ヒロトが口を開いた。
ヒロト「弟が病気なんだよなァ？んで、手術代を工面してもらうためにオリオンの連中に従っている、そうだよな。」
一星は黙り込んで俯いてしまった。
無言の肯定、というやつだ。
ヒロト「お前の弟の手術代、俺が親父に頼んで借りてやるよ。」
一星「え…？」
このつい最近まで反抗期だった坊ちゃんさらっととんでもないこと言った…
そりゃ一星もびっくりだ。
いや、内容にも驚くけど、ヒロトが誰かのためにここまでしようとすることが驚きだった。
でも、一星は自分にはそんなお金返せない、と暗い空気が漂った。
ヒロト「お前は今のサッカービジネスの大きさを知らないのか？」
その空気をも吹き飛ばしてしまうように手を差し伸べるヒロト。
タツヤ「ヒロトのいう通りだ。もし俺たちが世界大会で優勝すれば、大会スポンサーから賞金が出る。」
補足するようにタツヤも一星に手を差し伸べた。
ヒロト「それで手術代は余裕で返せるはずだ。
それに、俺たちなら絶対優勝できる、そう思わねえか？」
これで一星の弟も救えて、一星もオリオンに従わなくていい、誰もがこう思っただろう。
でもこの空気を一度壊さなきゃいけない。
A「ちょっとまって、ヒロト。」
ヒロト「あ？」
A「その必要はある？
ねえ一星。
そもそもあなたは一体誰を助けようとしているの？」
再び不穏な空気が漂った。
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作者名：汐音 | 作成日時：2019年7月11日 0時
