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相手チームの５番がうまいことみんなをかわし、
別の選手にパスを出した。
大きなパスだ。
でもその選手の前には野坂が。
野坂もボールに合わせて高く飛び、
そのままヘディングではなくオーバーヘッドでクリア。
ボールを一度ラインの外に出し、速攻を食い止めた。
明日人「あそこでオーバーヘッドなんて珍しいな。」
氷浦「確かに…」
A「あいつ、まだ本調子じゃないらしいの。」
明日人／氷浦「「ええ！？」」
私の近くにいた二人に説明した。
一星にも聞こえるように。
A「今頭に強い衝撃を受けると二度とサッカーができなくなっちゃうかもしれないんだって」
明日人「！？だからヘディングしなかったのか…」
私はこくり、と一つ頷いた。
氷浦「じゃあ、野坂に無理をさせないようにしないと。」
明日人「うん」
A「そうだね。」
これを聞いて一星は野坂を潰しにかかるか、それとも守りに入るか。
A「(選ぶのは他の誰でもない。一星、あんただけだ。)」
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相手のスローインから試合再開。
不動さんがボールをカットし、
不動「一星！」
一星に渡した。
一星はボールを持ったまま走るが、
一星「(俺の好きな、本当のサッカー…！)」
悔しそうな、苦しそうな顔をしていた。
一星は灰崎にボールをだした。
一星「(サッカーはいつだって、熱くて楽しいものなんだ。
なのに
でも、やらないと…
光を助けられない…)」
迷っているのだろう
また表情がコロコロと変わる一星を見て、
やっぱり人を動かすのって難しいな、と少し不安に駆られた
野坂「彼なら大丈夫。」
A「野坂…」
いつの間にか隣に立っていた野坂。
野坂「僕たちが彼を信じなきゃ。
僕は彼を信じてるよ。」
A「うん。そうだね。」
円堂さんや明日人の言葉を借りると
きっとサッカーが正しい方向へ導いてくれる。
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作者名：汐音 | 作成日時：2019年7月11日 0時
