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銀ノ魂篇/また笑えるでしょう ページ29

「……わざわざこんな所まで足を運んだかいがあった」


ずっと黙って聞いていた晋助が、そう小太郎に言った。


「ヅラ。お前なら、そう言ってくれると思ってたぜ」


小太郎が目を瞠る。何故って、晋助が刀を自分に向けて向かってきたから。

2人は窓を割りながら庭へと落下する。


「これで心置きなく、総理大臣(おまえ)を利用できる」


小太郎は晋助が刀を突き出してきた右腕を、自分の左腕と胴とで掴んで止めていた。そのまま晋助の腹を蹴る。


「俺達は先生のために。お前は先生の残したもののために。銀時(アイツ)は何だろうな」


2人は距離を開けて、地面に着地する。
後から肩に太陽を乗せたAも飛び降りてきて、音を立てずに晋助の隣に足を着いた。

部屋の中からエリザベスが刀を投げ、小太郎はそれをキャッチする。


「相変わらずてんでバラバラだが、そいつをぶつけ合い、たどりついた先にある答えなら」


確かに小太郎の言う通り、あの頃に戻る事は出来ないだろう。でも。


「先生は、俺達は、あの頃のように笑えるだろ」


笑う事くらいなら、出来るだろう。

晋助と小太郎が刀を抜いて互いに向かっていくのを、Aはジッと見つめていた。





☆☆☆☆☆





江戸の街を閃光が満たしたのは、新八が、神楽が、お妙が、月詠が、さっちゃんが、九兵衛が、銀時を捜して走り回っている時だった。


その余りの眩さに思わず閉じた目を新八が開くと、ずっと捜していた彼がそこに見えて。手を伸ばして声を上げても、彼は遠ざかってしまう。
気付いた時には光は消えていて、銀時の姿もそこには無かった。

地面に膝を着いたままの新八の横を、江戸の人々が走って通り過ぎていく。


『___との事です。現在、爆発の原因、被害の規模は解っていませんが、事故、テロ、いずれの可能性も考えられます』


彼の耳に届いたのは、そんなニュースの音だった。

そして目の前に見えるターミナルが壊れているのが見えて、光の正体をそれで知る。


『ターミナル周辺にいる方は速やかにその場を離れ、政府指定避難場所に避難してください。くり返します』


新八は走り出した。民衆と逆、ターミナルの方へと。

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なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (4月23日 0時) (レス) id: d007c1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
いな - 面白かったです!最初から一気に読みました!これからの展開が楽しみです!! (2023年2月4日 10時) (レス) id: 200a1f85db (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続きが気になって目が乾燥帯になってます、続きとかは、もう出ないんですか? (2022年8月9日 10時) (レス) id: c4efed8c6d (このIDを非表示/違反報告)
- 続きはもう出ないんですか?気になって夜しか寝れません (2022年8月8日 22時) (レス) id: 79fd85110e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - わかさん» ありがとうございます、候補に加えさせていただきます (2021年8月31日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年2月13日 0時

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