銀ノ魂篇/遮るものはぶっ壊せ ページ8
かぶき町に向かう敵を倒したビルで分断し、後方を真選組が、前方を御庭番衆が撹乱してかぶき町に着く前に敵の力を削ぎ落とす。それが作戦。
「ねぇちょっと待って何でこんな多いの、って誰だ今スレスレに大砲ぶっ放してきた黒い隊服の奴!!」
「口じゃなくて手と足動かせA!」
「違うんだって、今ちょっとでもズレてたら味方に殺されるとこだったんだって」
「お前は殺しても死なねェだろうが!!」
「トシそれどういう意味!?」
私だって殺されたら死ぬってばよ。
乱戦どころの話じゃない。下手したらさっきの私みたいに味方に殺される、それくらい入り乱れてる。
主に敵がバタバタと倒れていくのは2ヶ所。私の所と総悟の所。
何、アイツマジで副長になるつもり? それ今回の戦いで生き残っても私、後で忙しさとストレスで死ぬんだけど。
そんな風によそ見をしていたからだろうか、気付いたら八方を敵に囲まれていた。私が主力だという事を見抜いた上でだとしたら、相当な馬鹿なのか自信があるのか。
同時に突き出してきた刀や槍などの武器を上に跳んで回避して、落ちる途中刀を水平の向きにして円を描く様に振るう。敵の首が斬れ、頭だけが地面に落ちた。
あーあ、返り血付いちゃったよ。
「抑えきれん!! 敵がかぶき町に!!」
「四の五の考えんな!! 今は目の前の敵を1人でも多く斬る事だ!! 既に別働隊はかぶき町に配しているさ」
近藤さんとトシの声が聞こえた。
その通り、敵の数はそのまま突進力と比例する。いくら私達が大勢倒したところで、その突進力には敵わない。
それに突進力を支えているのは数だけじゃなく、3大傭兵部族の内の1つ、荼吉尼の戦車みたいな力もだ。
つまり鍵となるのは、敵が辿り着いてしまった時、かぶき町がどれだけそれらに持ち堪えられるのか。
「トシぃー!! 私本当に別働隊の方行かなくて良かったの!? 今からでも追いつけるよ!」
「今お前に抜けられたら困る!」
ですよねぇ、と思った。かぶき町の住民達……万事屋の力を信じるしかない。
戦うのが好きな私だけれど、この状況でふざける余裕はあっても楽しむ余裕は無い。無心で敵を斬っていると、体感的には(実際は多分もっとずっと短い)2時間ほど経っただろうか、変化が訪れた。
解放軍が、まるでかぶき町に居る何かから逃げる様に、逆行してきたのだった。
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年10月19日 19時