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銀ノ魂篇/機械 ページ1

『この星は俺達のもんだ。ならこの戦いも、この星に住まう俺等1人1人のもんだろう』


トランシーバーの向こう、江戸1番の機械(からくり)技師である平賀源外はそう言う。


『地球の底力、見せてやろうじゃねェか』


いやに決意のこもった、不敵な声だった。

銀時が思わず「じーさん」と呟くと、それに応えるように『まずは俺達の出番ってわけだ』と新たな低い声が聞こえる。


『仕方ねェ。銀がこの様じゃ、金が出張るしかねーよな』


万事屋3人には聞き覚えのある声。

それと一緒にガシンガシンという音も聞こえてきて、他の機械(からくり)と共に歩く金髪ストレートの彼の姿が容易に思い浮かぶ。


『バカの尻ぬぐいから世界を救うまで、何でもやんのが万事屋金ちゃんだ』


やっぱりそうだった。
新八と神楽の依頼で源外が造った機械(からくり)。坂田金時。


「金さん!!」

「てめェは……」

『よォ、不完全体主人公。情けねェ話じゃねェか、俺のモデルになった男が世界の1つ救うのにてんてこまいたァ』


銀時の声にからかうように返す。


(オレ)が世界の半分をうけもってやらぁ。もう半分なら、(てめェ)のような不完全体でもなんとかなるだろ』


その、やっぱりいやに決意のこもった声に銀時が何も言えずにいると、『相変わらず成長のない人ですね』とこれまた聞き覚えのある声が聞こえた。

高く可愛らしい、どこか抑揚のない声。それでも変に人間染みたところがあると、皆が知っている彼女の声。


機械(わたしたち)は金色だろうと銀色だろうと、ネジの1本に過ぎない』


「たま」と、Aが目を見開いて呟いた。


『でもネジも集まれば、世界というカラクリを動かす事ができるかもしれない』

『こっからこのかぶき町は、人類を護る要となる。あとは……』


A達とトランシーバーを挟んで向こう側、源外はたまや金時、その他の機械(からくり)達と共に踵を返す。

その背中に、お登勢が「ああ、任せな」と応えた。その隣には、お妙や西郷特盛、黒駒勝男も居る。


「こっちはこっちの喧嘩を、アンタらは機械(アンタら)の喧嘩を、思いっきりしてきな」


銀時の、焦ったような、心配そうな声が流れるトランシーバーを握りしめて、それには応えずに、源外はどこかへと向かう。

銀ノ魂篇/カラクリは世のため人のため→



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作者名:ゆず | 作成日時:2020年10月19日 19時

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